WRC世界ラリー選手権第11戦スペインは10月8日、デイ3のSS14~19が行われ、前日のデイ2から総合首位につけているクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)が一度もトップの座を譲ることなく総合優勝を飾った。トヨタ勢は唯一完走したユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4位に入っている。
■Mスポーツ
●セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)/総合2位
「今週末は、チャンピオンシップに向けて積極的な進展を遂げた。僕らは順調にリードを広げていたと思うけど、ティエリー(・ヌービル)のミスが完全に状況を変えた。それで僕らはギャップをさらに広げることができたよ」
「実際にはすべてのリスクを取らなければならない状況には追い込まれなかったけど、それでもいいリズムを維持し続けなければならなかった。クリス(・ミーケ)は、ターマックで別のレベルに達していたから、彼に挑むチャンスはなかった。だけど、僕らはクリーンなドライビングができたし、間違いなくポジティブな週末だったよ」
「マニュファクチャラー選手権は決まったから、チームにとってもいいニュースとなった。数週間後の彼らのホームイベントのために、ちょっとしたパーティの計画も立られるよ」
●オット・タナク(フォード・フィエスタWRC)/総合3位
「最終的にいい気分だよ。この結果がほぼ今週末僕らのできる最大値だったから、全体的にすばらしい結果だ。初日は特に良かったと思う。走行順がかなり早かったけど、首位と近い位置に留まれた」
「ターマックでは、いくつか小さい問題があったけど、総合的にみればいい走りだったし、マシンのフィーリングもよかった」
「今後は確実にドライバーズ選手権の2位争いが激しくなるだろう。セバスチャン(・オジエ)はかなりセーフティな位置に居るが、まだ戦えることがあるし、まだ2つのエキサイティングなイベントが残っている」
●エルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)/総合7位
「誰もが分かるように、今回は僕らにとってタフな週末だった。だけど、僕らは身を潜め静かにしながら、仕事をやり遂げた。簡単ではなかったけど、すべての走行からたくさんの情報を得ることができた。いまはラリーGBにフォーカスすることができるよ」
■ヒュンダイ/ヒュンダイ・モータースポーツ
●アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合18位
「僕たちにとってはいろいろなことがあった週末だったけど、多くのポジティブなことも起こった。金曜日のグラベルでは良いペースを出せたし、ヒュンダイ・モータースポーツでの最初のイベントでリードを取るのは素晴らしい気分だった」
「ターマックで良い感触を掴むには、もう少し時間が必要だ。今日もプッシュしていく自信があまり持てなかったが、この2日間で僕たちは重要な進歩を遂げることができたよ」
「SS15ではボンネットが開いたままの状態で走行しなければならなかった。あたりが暗い早朝のステージで使ったライトポッドを取り外した後、きちんと確認しなかったんだ。それにフロントガラスにヒビが入ってしまった」
「それでも僕たちは新しいことをいくつか試すことができたし、将来に向けて良い方向性を見つけることができた。これら3つのイベントは来シーズンに向けてできる限り準備を万端にするのにとても役に立つよ」
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイリタイア
「僕たちは大いに落胆しているけど、同時にこうした運の悪さというのもWRCにおける競技の一部なんだよ。土曜日にトラブルがあったから、今日の午前中はタイムを補うためにハードにプッシュしていた」
「残念ながら、SS16の低速コーナーでタイトに曲がりすぎ、何かにマシンをぶつけてホイールを損傷してしまった。それがフロントサスペンションの故障の原因になったんだ。それで終わり、ゲームオーバーだった」
「もちろんこの結果のせいでドライバーズ選手権での状況はさらに厳しいものになっているけど、現実的になる必要がある。全体的には僕たちは素晴らしいシーズンを過ごしているんだから」
「チームは僕に速いマシンを提供するために多大な努力を払ってきている。単に今週末は僕たち向けではなかったということだ。今後はラリー・グレートブリテンとオーストラリアで良い結果を出し、シーズンを終えたいと思う」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/総合15位
「今週末はポジティブなことをたくさん得ることができたよ。特にパワーステージでの優勝は素晴らしい慰めになった。僕としてはマシンをうまくハンドリングできていた。確かに改善できる点はいくつかあるけれど、感触は良かったし、ステージでのタイムも良いものだった」
「たったひとつ、ネガティブなことがあって、残念ながらそれが大きかったんだ! チームと母国の観客に申し訳なく思うし、もちろん自分自身でも残念に感じている。あのようなばかげたミスをしてこの週末を台無しにしてしまった。必ずより強くなって、この失敗から立ち直るようにするよ。こういうことがラリーでは起こり得るんだ」
■シトロエン/シトロエン・レーシング
●クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)/総合優勝
「今週末は僕にとって格別なものになった。ラリー・メキシコでの優勝以来、厳しい状況が続いたけど、毎回ひたむきに取り組むことで自分たちを鼓舞してきた」
「このマシンがターマックで常に威力を発揮することは分かっていた。昨日から実際に見せることができたと思うよ! 今回の優勝はチーム全体による仕事の質の高さを示しているし、残りのシーズンに向けて全員にとって大きな自信になるね」
●ステファン・ルフェーブル(シトロエンC3 WRC)/総合6位
「最初の走行では、マッズ・オストベルグとの差を縮めようとプッシュしていった。その後、油圧システムのトラブルがひどくなり、インカムも機能しなくなってしまった。その時点から、僕は順位を守ることだけを考えていた」
「このラリーについて限られた知識しかないことを考慮すれば、6位はとてもいい成績だよ。今回の結果は、ラリー・ポーランドを5位でフィニッシュした時にほぼ相当すると思う」
「少しずつ経験を重ねて向上している。将来に向けて進歩を確かなものにしていきたい。クリス(・ミーク)とコドライバーのポール(・ネイグル)に2度目の優勝おめでとうと伝えたい。チームの全員にとって、士気が上がる結果になったね!」
●カリッド-アル・カシミ(シトロエンC3 WRC)/総合17位
「今日はとても良い日だった。1日の時間が過ぎるにつれて、一層ドライビングが楽しめるようになったし、シトロエンC3 WRCで進歩を遂げられたことが嬉しいよ」
「でも一番嬉しいことは、クリス・ミークがラリーで優勝を飾ったことだ。彼は今週末素晴らしいレースをした。僕たち全員にとっても嬉しい瞬間だ。こうしたパフォーマンスでシトロエン・トタル・アブダビ・ワールドラリーチームが前進していくのをとても誇りに思うよ」
■トヨタ/TOYOTA GAZOO Racing WRT
●ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)/総合4位
「結果には心底満足している。昨日と今日は、自分のこれまでのキャリアの中でもっとも楽しく感じられた2日間だったよ。昨日は本当に素晴らしい走りができ、今日は前の選手とのタイム差が大きく開いていたので、とにかく安定した走りを心がけたんだ」
「ヤリスWRCはターマックでとても走りやすく、タイムを出すために大きなリスクを冒す必要がなく、クルマを信頼して走ることができた。僕は長い間ラリー・スペインに出ていなかったけど、それでも上位争いに加われたことは非常に重要なことだよ」
●エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイリタイア
「路面の変わり目で、クルマが予想以上に滑ってしまった。あれほど大きくグリップが変わるとは思っていなかったんだ。今後に向けて、またひとつ課題が見つかったと思う」
「正直なところフラストレーションが溜まる週末だったが、このラリーでヤリスWRCの経験を積むことができ、また土曜日の午後にそこそこのスピードで走ることができたのは収穫だった。クルマはターマックでも非常に良いフィーリングだったので、ポジティブな要素も多かったと思うよ」