WRC世界ラリー選手権第11戦スペインは10月8日、デイ3のSS14~19が行われ、前日のデイ2から総合首位につけているクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)が一度もトップの座を譲ることなく総合優勝を飾った。トヨタ勢は唯一完走したユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4位に入っている。
デイ2と同様にターマック(舗装路)のSSが続く競技最終日。前日のオープニグステージ、SS7から抜群の速さをみせ総合首位に立ったミークは、この日も好調を維持。午前1本目のSS14でトップタイムを記録すると、以後SS18まで5連続でステージ優勝を飾る。
最終パワーステージでは地元ファンの声援を受けるダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)に次ぐステージ2位となったが、ここでも総合2番手につけるセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)に3.5秒差をつけるなど、終日にわたって他を圧倒。最終的に2位に28秒というマージンを築いて第3戦メキシコ以来となる2017年シーズン2勝目を挙げた。
ポイントリーダーのオジエは、デイ2に引き続きステアリングに問題を抱えながらも堅実な走りを披露。ミークとは前日から15秒離れたものの、僚友で総合3番手につけるオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)とのギャップを1.5秒から5.0秒に広げ、総合2位でフィニッシュした。
総合3位に入ったタナクは、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)がSS16でクラッシュし、ノーポイントに終わったことからドライバーズランキングでヌービルを1ポイント上回り、ランキング2番手に浮上。
また、ヒュンダイ勢がポイントを稼げないなか、オジエとタナクが表彰台に立ったMスポーツは今戦の結果によって2007年以来のマニュファクチャラーズタイトル獲得を確定させている。
トヨタ勢ではハンニネンがデイ3でも好調をキープし総合4位のままフィニッシュした一方、僚友のエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS15でクルマをガードレールにヒット。ダメージにより競技続行が不可能となり、リタイアを余儀なくされた。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの一環としてWRC2に挑んでいる勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は総合51位/クラス14位で完走を果たした。
WRC次戦は10月26~29日、イギリスのウェールズで第12戦ラリー・GB(グレートブリテン)が開催される。伝統のグラベルラリーは全21本のSS、合計距離304.36kmで争われる。