スクーデリア・トロロッソは、次戦F1アメリカGPではダニール・クビアトとピエール・ガスリーを走らせると発表したが、ガスリー本人はその週末のプランについてレッドブル首脳からまだ指示を受けていないと発言した。これにより、ガスリーがF1でなくスーパーフォーミュラ最終戦に出場する可能性があるとの推測もなされている。
7日、ルノーは2018年に向けて契約したトロロッソのカルロス・サインツJr.をジョリオン・パーマーの代わりに今年のアメリカGPから起用することを発表。トロロッソも同日に、サインツの離脱と、アメリカGPではクビアトとガスリーを起用することを発表した。トロロッソはマレーシアと日本の連戦でクビアトの代わりにジュニアドライバーのガスリーを走らせている。
ガスリーは今年、全日本スーパーフォーミュラ選手権にTEAM無限から参戦しており、現在ポイントリーダーの石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)から0.5点差のランキング2位につけている。しかしアメリカGPとスーパーフォーミュラ最終戦は同じ週末に行われるため、F1継続決定により、スーパーフォーミュラのタイトルは断念することが確定したと思われた。
ところが翌8日、ガスリーがその週末、どちらに出場するかの最終決定はまだ下されていないとの説が浮上した。レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコが「日本のスーパーフォーミュラでタイトルを取ることはホンダにとって重要だ」と発言したという。
トロロッソは2018年に向けてホンダとパワーユニットの供給に関する契約を結んでおり、ホンダはレッドブルファミリーにとって重要なパートナーとなる。
ガスリーはホンダエンジンを搭載するTEAM無限からスーパーフォーミュラに参戦しており、ポイントリーダーの石浦はトヨタエンジンを搭載している。
ガスリーは8日の段階で、レッドブル首脳陣から2週間後のプランについて聞かされていないと発言した。
「今のところ、2週間後にどうするかという確認を、ヘルムート(・マルコ)や(トロロッソのチーム代表)フランツ(・トスト)から得ていない」とガスリーが述べたとCrash.netが伝えた。
「(プレスリリースは)見たよ。でも何かコメントをするのは、ヘルムートと話をしてからにしたい」
「どちらの選択肢も僕にとってはわくわくするものだ。スーパーフォーミュラに行けば、タイトル争いができる。その後、メキシコでF1に戻ってトロロッソでシーズンを終えることができれば最高だ。タイトルは重要だからね」
「一方で、オースティンに行って、トロロッソとレースをして、このままシーズンを続けられるのであれば、僕としては文句はない。素晴らしいチャンスだからね。F1で走ることは貴重な経験になる」
「今は待つしかない。そのうちはっきりするはずだ。来週になれば、すべてが明らかになるだろう」
F1日本GPと同日開催で行われたスーパーGT第7戦タイの現地でも、ホンダ、無限チーム関係者は「聞いていない」と、ガスリーの最終戦についての決定の連絡は受けていないようで、トロロッソ側のリリースに国内関係者は皆、困惑している状況だった。
いずれにしても、スーパーフォーミュラ最終戦は2週間後。今週中には改めて、参戦に関する正式発表が行われる見通しだ。