2017 AUTOBACS SUPER GT Report
Chang SUPER GT RACE
第7戦 チャン・インターナショナル・サーキット(タイ)
ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明
◆10月8日(日) RACE
決勝結果 4位
<決勝>天候:晴れ コース状況:ウエット/ドライ
立川祐路と石浦宏明のドライバーふたりが、ZENT CERUMO LC500にたしかな手ごたえを感じた公式予選から一夜明け、SUPER GT第7戦チャン・インターナショナル・サーキットは10月8日(日)の決勝日を迎えた。前日は決勝の天候に不安があったものの、この日は朝から雲があるものの晴天。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはピットウォーク等のイベントをこなし、午後12時55分からスタートしたサーキットサファリ、そして午後1時25分から行われたウォームアップで周回を重ね、ZENT CERUMO LC500の感触をたしかなものにした。
その後、準備万端整えられたZENT CERUMO LC500はグリッドに並ぶが、多くのファンや関係者で賑わうグリッドに、上空から雨粒が落ち始める。雨は次第に強さを増し、ついにはスコールに。それまでカラリと乾いていたコースは、あっという間にウエットコンディションへと変化してしまった。
チームは急いでウエットタイヤを装着し、スタートドライバーの立川を送り出した。コンディション変化のため2周のセーフティカーランが行われた後、現地時間午後3時5分、決勝の火ぶたが切られた。
スタートを務めた立川は、序盤5番手とグリッドどおりのポジションで周回を重ねていくが、晴れ間も見えていたため、早めにコースが乾くと予想したスリックタイヤスタートの集団が5周目には前方に出現し、レースは混戦模様となっていく。実際、8周も過ぎる頃になると少しずつコースが乾き、立川はウエットタイヤのオーバーヒートを減らすため、コース上の濡れた部分を探し始める。他車のラップタイムの状況も見ながら、チームは13周を終えて一度立川を呼び戻し、スリックタイヤへと交換。ふたたびコースへ送り出した。
ただ、このタイミングで1周早くピットに入っていた#36 LC500が立川の前に入ってしまう。立川の方が#36 LC500よりもペースは良さそうだったが、コースは濡れている部分も多く、なかなか抜くには至らない。このままではタイムロスも大きいため、チームは26周を終え、ZENT CERUMO LC500をピットに戻し、立川から石浦へ交代することに決めた。
ZENT CERUMO LC500のコクピットに収まった石浦のミッションは、ライバルたちがまだピットに入っていないこのタイミングで、とにかくプッシュしてタイムを稼ぎ出すこと。石浦はその任務を果たすべくZENT CERUMO LC500にムチを入れるが、背後にその時4番手を走っていた#17 NSX-GTが迫る。すでにピットインしていたZENT CERUMO LC500とは周回が異なり、石浦は前を譲らなければならないため、石浦はそのまま先行させる。ただ、その後#17 NSX-GTよりも石浦のペースが良く、少々タイムロスを喫してしまった。また、途中イエローフラッグが提示されていた区間で、タイミング悪く石浦の前方にGT300クラスの集団が現れてしまい、ここでも数秒のタイムロスがあった。
とは言えコクピットの石浦は、予選日から感じていたZENT CERUMO LC500の好フィーリングを活かし、ハイペースで前を追った。上位陣がピットインを終えると、石浦の前には#17 NSX-GTが今度は同一周回で現れた。
石浦はなんとかこれをオーバーテイクするべくプッシュを続けたが、最終的にはわずかに届かず。とは言え、残り2周で3番手を走っていた#12 GT-Rがストップしたことから、ZENT CERUMO LC500の最終的な順位は4位となった。惜しくも表彰台には届かず、優勝を飾った#37 LC500とのポイント差は開いてしまったが、立川と石浦のなかでは、前日感じたたしかな手ごたえが、確実なものになっていた。
残すはツインリンクもてぎでの最終戦のみ。チャンピオンシップはどうなるかは分からないが、最後は勝ってシーズンを終えよう……。LEXUS TEAM ZENT CERUMOのメンバーは、心に誓って帰国の途に就いた。
ドライバー/立川祐路
「レース直前の突然の雨で驚きましたが、完全にウエットコンディションになったので、レインタイヤでスタートして、スリックタイヤに交換する作戦を採りました。そこからは#36 LC500の後方で戦うことになりましたが、フィーリングが良くペースも良かったものの、なかなか抜けず石浦選手に交代しました。結果は4位で、グリッドよりも上になりましたし、感触はすごくいい。タイトル争いは厳しいかもしれませんが、最終戦では優勝して終わりたいですね」
ドライバー/石浦宏明
「立川選手がウエットコンディションでスタートして、その後路面が乾いたタイミングでピットに戻りましたが、理想はもう1周早いタイミングだったかもしれませんね。その後、#36 LC500の後方で失ってしまうタイムもあったので、早めにピットに戻り、僕と交代し、空いている場所を使ってプッシュしようとしました。その後はコースインしたタイミングでタイムロスがあったり、GT300の集団に引っかかってしまったりと、表彰台圏内に届かなかったのは少し残念な部分はあります。とは言え、このレースで見えてきたところがすごく多かったので、4位という結果以上に収穫があったレースだったと思います。タイトル争いは苦しいですが、最終戦、思い切ってやるだけです。優勝目指して頑張りたいと思います」
浜島裕英監督
「土曜日の公式練習から公式予選、そして決勝レースと、着実にクルマが良くなったことが、この4位という結果に繋がったのではないでしょうか。レース戦略もライバルが採ったような作戦もありましたが、順当な作戦でしっかりと結果に繋げられたと思っています。この勢いのまま最終戦のもてぎでチームが全力を尽くせれば、いい結果でシーズンを終えられると思っています」