2017年FIA F2第10戦スペインのレース2がスペイン・へレスサーキットで行なわれ、アルテム・マルケロフ(ロシアン・タイム)が優勝した。
F2のレース2のグリッドはレース1の1位から8位までがリバースグリッドとなって決定される。この結果、前日に行われたレース1で8位に入ったアレックス・パロウ(カンポス)がポールポジション、優勝したシャルル・ルクレール(プレマ)が8番手からスタート。松下信治(ART)は18番手からのスタートとなった。また、レースの周回数はレース1が39周だったのに対しレース2は28周というスプリントレース。タイヤ交換の義務はない。
F2のレース2は10月8日、日本時間21時からスタート予定だったが、セーフティカーに問題が発生しスタートがディレイ。日本時間21時18分にレースが開始された。
レース序盤からトップに立ったのは、リバースグリッドによってポールポジションスタートとなったパロウだ。パロウは2017年シーズン全日本F3選手権にも参戦していたスペイン人ドライバー。すでに最終戦を迎えた全日本F3ではポイントランキング3位を獲得している。FIA F2へは今大会第10戦スペインからの参戦だ。
2レース目となるF2の決勝レースで、パロウは堂々たる走りを展開。2周目にはファステストを叩き出すと2番手のニコラス・ラティフィ(DAMS)以下を引き離しにかかる。
一方、18番手からスタートした松下。10周目には12番手にまでポジションを上げていた。さらに11周目にはナビル・ジェフリ(トライデント)、ルカ・ギオット(ロシアン・タイム)らと11番手争いを展開。松下はギオットとサイド・バイ・サイドのポジション争いを繰り広げるも、ポジションを奪われ13番手に落ちてしまう。
レースも折り返しとなった13周目、8番手スタートから一時は4番手にまで追い上げていたルクレールがペースダウン。明らかに遅いペースで次々にポジションを落とす。マシントラブルかに思われたが、ルクレールはこのタイミングでピットイン。
タイヤがかなり厳しい状況だったようで、ルクレールはタイヤ交換を行うとすぐさまコースに復帰した。これはルクレールのチームメイトであるアントニオ・フォコ(プレマ)も同様で、ファコはルクレールよりも1周早い12周目にピットインし、タイヤ交換後に再び戦線に加わっている。
13番手にまでポジションを落とした松下だったが、上位を走っていたギオットやニック・デ・ブリース(レーシング・エンジニアリング)などがピットインを行ったため再び順位を回復。
16周目から終盤にかけてジェフリ、ルイ・デレトラス(ラパックス)とポジション争いを展開した。松下は前をいくジェフリの背後をぴたりとマーク。何度も様子を伺うそぶりを見せ、ついに21周目にオーバーテイク。7番手にまでポジションを上げた。
一方、レース終盤までトップを走っていたパロウ。しかしタイヤを交換するマシンが何台も出る状況のなか、パロウは厳しい戦いを強いられた。パロウ自身もタイヤが厳しい状況で懸命にトップを守っていたが、ついに、ラティフィ、アルテム・マルケロフ(ロシアン・タイム)、オリバー・ローランド(DAMS)により立て続けにオーバーテイクされてしまう。
さらに終盤、再び上位に浮上してきたのはルクレールだった。ピットインしたことで一時は下位に沈んだルクレールは交換したタイヤでトップを猛追。ついにはトップの座を明け渡し、厳しいタイヤ状況ながらも4番手を走っていたパロウをオーバーテイク。ルクレールが4番手に浮上した。
レースは終盤にレースリーダーとなったマルケロフがそのままチェッカーを受け、優勝を飾った。2位にはラティフィ、3位にはローランド。驚異的な追い上げを見せたルクレールは最終ラップで順位を落とし、7位フィニッシュ。2レース目となるF2で周回数の大半をリードしたパロウは8位でポイント獲得、松下は11位でレースを終えた。
次戦は最終戦。11月24日からアラブ首長国のヤス・マリーナ・サーキットで開催される。