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3戦連続のトラブルで信頼性を喪失したフェラーリ、日本GP鈴鹿もハミルトンに完敗【F1決勝分析】

2017年10月08日 22:22  AUTOSPORT web

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2017年F1第16戦日本GP スタート前にカウルを開けて作業するセバスチャン・ベッテルのマシン
汗ばむくらいの鈴鹿で、ルイス・ハミルトンは先週セパンにくらべたら半分も汗をかかなかっただろう。『レースに楽勝はない』が今季10勝目はそれに近い展開、スタートからすべてをコントロールできていた。 

 自己ベストタイムを見れば解る。1分33秒780は“6位相当”、昨日のコース新記録PP1分27秒319のなんと6.461秒落ち。PU予選モードとレース・モードの差異を加味しても、充分すぎる余裕を持って走っていたわけだ。ミハエル・シューマッハーのコースレコード記録は破ったがキミ・ライコネンの05年最速ラップ1分31秒540には“2.240秒”も及ばなかった。

 セバスチャン・ベッテルがプラグ・トラブルによって自滅、飛ばす必要はもうない。2位マックス・フェルスタッペンを従えたまま、終始1分34秒台ペースのドライビング。

 OBカメラ画面を注視していると鈴鹿サーキットではなく『SUZUKAハイウェイ』を走っているかのよう。ハミルトンの口笛が聴こえてきそうだった。信頼性もパフォーマンスもすべてゆとりあるメルセデスPUをまざまざと見せつけられた。


 14年19戦16勝、15年19戦16勝、16年21戦19勝、そして今年16戦10勝。PU時代になってから<75戦61勝>。ハミルトン自身も61勝目、めでたし、めでたし。

 マレーシアGPを1-3、ここ鈴鹿で2-3フィニッシュ、2戦連続ダブル表彰台はレッドブル・ルノー(TAGホイヤー)PUは初めて。開発初期からしばらくの間、信頼性でもパフォーマンスでも苦渋を味わった彼らもようやくここまできた。

 だからではないが今現在、信頼性を喪失してしまっているフェラーリはショック、CS中継でもその一語しか出なかった。06年予選Q2であのレコードを叩き出したシューマッハーもレース中、37周目にエンジントラブルに倒れている。

 フェルナンド・アロンソのルノーに執拗に追われ、プッシュし続けなければならなかったのが原因の一つと言われた。ジャン・トッド率いるこの時代、フェラーリは絶対の信頼性を誇った。それだけに決勝でエンジンを壊したのは異例な事態、「00年フランスGP以来の6年ぶりのショック」と、中継で申し上げたのを思い出す。

――レコードが生まれた鈴鹿、ショックだった鈴鹿に<伝説・第29章>が刻まれた。