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スーパーGT500決勝:突然のスコール来襲もKeePerがポール・トゥ・ウインでチャンピオンに王手

2017年10月08日 20:21  AUTOSPORT web

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スタート直前に訪れた突然の雨で路面はウエット状態でセーフティカースタートに
スーパーGT第7戦タイのGT500クラス決勝レースはスタート直前にスコールが訪れる波乱を予感させるスタートになるも、ポールポジションを獲得したKeePer TOM'S LC500が終始安定した走りで開幕戦以来となる今季2勝目を挙げ、ランキングトップで最終戦もてぎを迎えることになった。

 それまで晴天だった空に突如、雨雲が現れ、グリッドウォーク中にまさかのスコール。お客さんはすぐにグリッドを去り、数分のシャワーで雨はすぐに上がったものの、またすぐに雨が降り始めるという、降ったり止んだりの不安手な天候。路面は濡れ、各車タイヤ選択に悩む決勝の開始前となった。

 両国の国歌斉唱の後、プミポン前国王の死去にあたって黙とうが行われ、その後、セーフティカー先導でスタート。ほとんどのマシンがウエットタイヤを装着するなか、DENSO KOBELCO SARD LC500とMOTUL AUTECH GT-Rはドライタイヤを装着した模様。すると、フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rがグリッドから動けずストップ。マーシャルに押されてピットに戻されることに。佐々木大樹はマシンを降りて、ピット裏へ去っていった。

 3周目にセーフティカーが下がり、レース再開。トップのKeePer TOM'S LC500は快調に逃げるも、2番手のカルソニック IMPUL GT-Rがやや離され、3番手のKEIHIN NSX-GTからWAKO'S 4CR LC500、ZENT CERUMO RC F、ARTA NSX-GTの4台がひとかたまりになってバトル。

 6周目からはGT300の周回遅れに合うも、上位陣には大きな変動はなし。ただ、中位以下ではドライタイヤでスタートしたと思われるDENSO、MOTUL GT-Rがまだ雨の残る路面に苦労して順位を下げていった。

 10周目には11番手走行のS Road CRAFTSPORTS GT-Rがピットインし、ドライタイヤに変更。13周目になると3番手走行のKEIHIN、そして9番手走行のau TOM'S LC500、10番手のRAYBRIG NSX-GTがピットインし、ドライタイヤへ。

 翌14周目にはトップのKeePerがピットイン、WAKO'S、ZENT、MOTUL MUGEN NSX-GTもピットでタイヤをドライに交換。15周目にはトップを走行していたカルソニックもピットに入り、ドライタイヤへ交換した。

 16周目には1コーナーで5番手走行のKEIHINをWAKO'Sがパス。19周目にはGT300のSUBARU BRZ R&D SPORTがピットインした際、クルマが止まりきらずに追突を受けたロリーポップマンが1メートルほどジャンプするというシーンがあったが、ロリーポップマンはすぐにエアジャッキを指し、大事には至らなかったようだ。

 23周目には3番手のカルソニックの背後にWAKO'Sが接近し、2台がバトル。しかし、順位変動には至らず。

 27周目からはドライバー交代を伴ったルーティンのピットストップが始まる。27周目にZENT、MOTUL NSX-GT、29周目にRAYBRIG、そして31周目にS Roadがピットインを行っている。

 35周目にはトップのKeePerがピットに入り、ドライバー交代。翌26周目にはDENSOもピットインを行った。

 40周目には3番手のKEIHIN、そして41周目にはトップを走行していたカルソニックがピットイン。カルソニックは作業にやや時間がかかり、モニター表示で52.7秒とライバルより10秒近く時間がかかってしまった。カルソニックに合わせるようにトップに立ったWAKO'Sもピットへ入り、WAKO'Sはカルソニックの前、2番得に順位を上げた。そして5番手のMOTUL GT-Rはピットに入るも、タイヤ無交換でコースに復帰した。

 ルーティンのピットを終えて、トップはKeePer、続いてWAKO'S、カルソニック、KEIHIN、ZENTのトップ5。そのまま順位は変わらず終盤を迎え、残り10周となったところで10番手の入賞争いが白熱。

 ランキングトップながら11番手走行のMOTUL GT-Rが10番手のARTAの背後に張り付き、ライン変えて抜きどころを探りながら、ターン2~3でサンド・バイ・サイドになり、4コーナーで先行。10番手入賞圏内に順位を上げた。

 残り5周となったところで、8番手のEpson Modulo NSX-GTと9番手RAYBRIGがバトル。RAYBRIGが1コーナーでラインを変えて進入すると、Epsonはブレーキングでタイヤスモークを上げてインをレイブリックに奪われ、8番手が交代した。

 このままチェッカーかと思われた残り2周、3番手を走行していたカルソニックがスローダウン。そのままコースサイドにマシンを止めてレースを終えた。これでKEIHINが3番手表彰台を獲得することになり、KEIHINのウエアを着たタイの地元ファンはスタンドで太鼓をならし、大歓声。

 KeePerはそのままトップチェッカーを受け、ランキング首位に立ってシリーズチャンピオンに王手。2番手にWAKO'Sが入り、レクサス勢がワン・ツーフィニッシュでタイ戦を締めた。

 終わって見れば、カルソニックのトラブルがあったものの、予選上位がそのまま決勝でも上位に残り、例年、大きなクラッシュやアクシデントで荒れた展開になるタイ戦だが、スタート直前のスコール以外、GT500のレースは順当な結果となった。

 これでランキングトップに立ったKeePerは69ポイントで、ランキング2位はWAKO'Sの63ポイント、ランキング3位はMOTUL GT-Rの61ポイントと実質、この3台が最終戦もてぎでチャンピオンを争う形になった。