WRC世界ラリー選手権第11戦スペインは10月7日、デイ2のSS7~13が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合4番手、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合6番手とそれぞれ順位を上げている。
競技2日目、スペイン北東部に位置するサロウのサービスパークを中心に行われた計7本のSSは、前日のグラベル(未舗装路)SSとは異なり、ターマック(舗装路)で争われた。
デイ2の前夜、サービスでグラベル仕様からターマック仕様へとセッティングが変更されたヤリスWRCは、ラリー・スペイン特有のリズミカルな中高速コーナーが続くターマックSSで高いパフォーマンスを発揮。グラベルでは波に乗ることができなかったハンニネンとラッピのポジションアップに貢献した。
総合8番手でデイ2をスタートしたハンニネンは、この日のオープニングステージとなったSS7で3番手タイムをマーク。SS8ではベストタイムを記録すると、続くSS9でもステージ優勝を飾るなど良い流れをつかんでいく。
日中のサービス後に行なわれた午後の再走ステージでもハンニネンとヤリスWRCはスピードをキープ。安定した走りで計7本のSSを走り切り前日の総合8番手から同4番手へと順位を上げた。
また、ラッピもSS9でハンニネンに次ぐ2番手タイム。SS10、SS12で3番手タイムを刻むなど、速さをみせて総合10番手から6番手に浮上している。
両選手とチームスタッフの活躍に「今日は素晴らしい1日になった。ターマックで我々のクルマが示した高いパフォーマンスは、今後に向けて大きな自信になる。ターマック仕様の開発に尽力した全スタッフに感謝の言葉を贈りたいね」と語るのはトミ・マキネン代表。
「ユホ(・ハンニネン)は今日、本当に素晴らしい走りをしてくれた。表彰台に上がるのは少々難しいかもしれないが、きっとベストを尽くしてくれるはずだ。そしてエサペッカ(・ラッピ)は、事前のテストとは完全に違うコンディションでの走行となったが、とても大きく進化したと思う」
マキネンと同様にハンニネンも「今日はとても良い1日だった」とデイ2を振り返ると同時に「昨日の結果にはやや失望したけれど、ターマックのほうが速く走れると分かっていた。それでも、午前中のSSであれほど良いタイムが出たことには驚いたよ」と本音を漏らした。
一方、ラッピは「今朝最初のSSでは十分な自信を持って走ることができなかった」とコメント。
「なぜなら、事前のテストはウエットでの走行だったから、その時よりも路面のグリップ力がはるかに高かったんだ。しかし、走るうちに少しずつ自信が高まっていったよ。特に、最後から2番目のSSでは良い走りができた」
競技最終日となる8日のデイ3は、SS14~19の計6SS、デイ2と同様ターマックで争われる。3本のSSをそれぞれ2回走行するが最終のSS19はボーナスポイントが与えられるパワーステージとなる。6本のSSの合計距離は74.26km。1日の総走行距離は310kmだ。