■「雨は相性いいのかも」柳田のポールは浮上のきっかけに!? 今季のGT300では、第4戦SUGOでも証明されたように、ウエットで強みを発揮するタイヤはブリヂストン、そしてダンロップ。特にいわゆる“チョイ濡れ”はダンロップが強かった。ただ、ダンロップ勢のなかでも、渾身のアタックでポールポジションを獲得してみせた柳田真孝の走りは、周囲から多くの賞賛が寄せられた。ちなみに、Audi Team Hitotsuyamaのポールポジションは、アウディを使うようになってからは初。ヒトツヤマレーシングとしては、JGTC全日本GT選手権時代の2002年まで遡る(当時はGT500クラス。服部尚貴/田嶋栄一組イエローコーンマクラーレンGTRが第6戦もてぎで獲得)。
では、明日の決勝レースはどんな展開になるだろうか。「もちろん勝ちたいですよね」と岡澤監督は言う。ただ、長い直線区間があるこのチャン・インターナショナル・サーキットのコースでは、Hitotsuyama Audi R8 LMSにとってもしドライになってしまうと、防戦一方になる可能性もある。よって、Audi Team Hitotsuyamaにとっては、今日のような“チョイ濡れ”がベストだ。これは5番手につけた同じダンロップのSUBARU BRZ R&D SPORTも同様だろう。
一方、もう少し降ってほしいか、完全に晴れて欲しいのはブリヂストン勢だろう。今回3番手につけているARTA BMW M6 GT3は、マシンとしても相性がいい。また、2番手につけたJMS P.MU LMcorsa RC F GT3も、ひょっとするとタイは相性がいいマシンなのかもしれない。一方、ブリヂストンはドライでも速く、LEON CVSTOS AMGが追い上げをみせ、最終戦もてぎに向け優位にシリーズを運ぶ可能性もある。
そして「晴れたら勝ちにいく」というのは、グッドスマイル 初音ミク AMGの河野高男エンジニアだ。ヨコハマ勢は、ウエットとなるとライバルからやや遅れてしまうが、ドライとなれば強さがありそう。実際、ドライを願っていたのは間違いなく、Q2ではグッドスマイル 初音ミク AMG、そしてStudie BMW M6、B-MAX NDDP GT-Rがスリックでコースイン。Studie BMWとグッドスマイルはウエットに履き替えたが、B-MAXはスリックを履き続けた。ちなみに、グッドスマイルはかなりマシンも決まっているようで、4番手は「谷口(信輝)の意地だろうね。チームみんなが今回は勝ちたいと思っているし、ドライなら勝てる」と河野エンジニア。