2017 AUTOBACS SUPER GT Report
Chang SUPER GT RACE
第7戦 チャン・インターナショナル・サーキット(タイ)
ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路/石浦宏明
◆10月7日(土) QUALIFY
公式予選総合結果 5位(1分25秒365)
<公式予選>天候:曇り コース状況:ウエット
10位完走という悔しい結果に終わった第6戦鈴鹿から1ヶ月強。2017年のSUPER GTは、海を渡りタイ王国ブリラムにある、チャン・インターナショナル・サーキットでの第7戦を迎えた。LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては、チャンピオン争いのためには落とせない一戦。SUPER GTのレギュレーションでは、最終戦まで残り2戦目となるこのラウンドでは、ウエイトハンデがこれまでの半分のポイントと同数となるため、ZENT CERUMO LC500もふたたび優勝を争う戦闘力を取り戻すことが期待された。
チームメンバーは10月4日(水)にタイ入り。また、立川祐路、石浦宏明のドライバーふたりも5日(木)と早めにタイに入り、しっかりと準備を整え6日(土)の公式予選日を迎えた。今年で4回目となるタイでの開催は、これまでずっと酷暑のドライコンディションでのレースだったが、今季は前日から不安定な天候。この日も夜半に強い雨が降っていた。
午前10時からの公式練習に向けてチームは準備を進めていたが、午前9時ごろから、タイらしい激しいスコールが降る。これで路面は一気にウエットとなったが、公式練習開始直前に止み、強い日射しが降り注ぐと、路面は急速に乾いていった。
ZENT CERUMO LC500はウエットタイヤを履き、立川がステアリングを握りコースイン。セットアップを進めていく。ただ、その最中の現地時間午前11時09分、ターン1を走行していた立川が、まだ濡れていたコースアウト側の縁石に足を取られてしまいスピンオフ。マシンの左側をヒットしてしまった。立川らしからぬクラッシュで、当たり方が悪ければ大きなダメージを負ってしまったところだったが、損傷を最小限に収め、なんとか立川は自走でピットへ戻った。
チームは応急処置を施し、専有走行の時間も使って石浦をコースに送り出したが、最終的にこの公式練習では立川が20周、石浦が13周をこなし、石浦の1分24秒764がベストタイムに。順位は9番手という結果となった。
クラッシュもあり、順位としてはそこまで上々のものではない公式練習だったが、立川も石浦もチームも、ある手ごたえを得ていた。それは、第4戦SUGO以降、なぜか走りはじめに調子が良くなった原因が、このタイに入る前に判明しており、それが解消されていたことを確認できたからだ。シーズン序盤戦のようないい走りができそうだ……。チームは現地時間午後3時からの公式予選に向け、ZENT CERUMO LC500をしっかりと修復するべく作業を進めた。
ところが、午後1時15分からのピットウォークの直前、ふたたび滝のような雨がサーキットに降り注いだ。その後はすっきりとは晴れず、路面は乾きつつあったものの、午後3時20分からスタートしたGT500クラスの公式予選で、ZENT CERUMO LC500はウエットタイヤを履いてコースインした。通常のレースではしばらくピットで待機するが、この時点でふたたびポツポツと雨が舞っているような状況で、全車がすぐにコースしていた。
石浦はこの時点で、タイでウエットタイヤを履いて走るのは初めてのこと。慣れない環境だったが、しっかりとマシンが修復されていることを確認すると、路面がふたたび乾き始めるとともにタイムを上げていった。続々と各車がタイムを削っていくなかで、石浦は1分30秒466というタイムを記録。不慣れな状況ながらなんとか8番手でQ1突破を果たし、立川にバトンを繋ぐことに成功した。
GT300クラスの予選Q2の間にも刻一刻とコンディションが変わっていく状況だったが、迎えたGT500クラスのQ2は、コース各所に水が残っていたものの、なんとかスリックタイヤで走れるコンディション。立川もスリックを履き、アタックへ入っていく。
残り時間3分になると、立川はその時点で3番手となる1分25秒761をマーク! さらに翌周、今度は1分25秒465までタイムを縮めてみせる。最終的に、立川のタイムは5番手に。ZENT CERUMO LC500は3列目グリッドを獲得し、決勝レースに向けた好位置を獲得した。最終戦もてぎに繋げるためにも、このレースの好結果が望まれる。
ドライバー/立川祐路
「非常に難しい天候の一日になりましたね。予選もどんどんコンディションが変わるなかで、Q1を石浦が突破してくれて、Q2でも順位を上げることができたので、まずまずの予選だったのではないでしょうか。ただ、Q2ではもう少し路面が濡れるだろうというセットアップで臨んでいたので、もう少し攻めることができたかもしれません。ただ、中盤戦で苦しんでいた原因が分かって、クルマのフィーリングが良くなったのは明るい材料だと思います。明日も頑張りたいですね」
ドライバー/石浦宏明
「公式練習では、専有走行でニュータイヤを履きましたが、接戦のなかで9番手という順位だったものの、中盤戦で苦しんでいた部分が直っていたことも確認できました。そこから予選に向けて作業を進めたものの、僕のときはウエットタイヤで、アタックのタイミングもあまりうまくいきませんでした。結果的にQ2に繋ぐことができて良かったのですが、こういった難しいコンディションの予選の戦い方は、今後に繋げたいと思っています。明日は決勝のセットアップをしっかり煮詰めることができれば、さらに上を目指せると思っています」
浜島裕英監督
「公式練習の順位や、Q1の順位を考えれば5番手という結果は、ドライバー、エンジニア、メカニックの頑張りが繋がったものではないでしょうか。決勝レースはもちろんタイトル争いを考えれば大事な戦いになるはずです。ベストを尽くすことができれば結果も出るはずですし、しっかりと走りきって、いい結果に繋げたいと思っています」