コース上は乾いていても縁石の一部や外側の人工芝、ダート部分はまだ濡れていた。昨日昼からかなり強い雨が12時間降り続き、やんだのは日付が変わった午前1時ごろ。相当な雨量だった。
FP3はヨーロッパ時差を意識した午後12時から、これはありがたいこと。それまでに確実に乾いていってくれる。
開始10分前後、スーパーソフトでまずルイス・ハミルトンが1分29秒069、バルテリ・ボッタス1分29秒055。ダウンフォースをプラスしてきたメルセデスだがボッタスがスプーン出口でワイドなラインになってしまい右側をヒット。濡れている人工芝~ダートで滑った。さらにキミ・ライコネンもデグナー2でやってしまった(その直前まで近くにいたがシケインへ移動中に)。
現場で目撃していた知人によると「明らかに突っ込みすぎのスピードだった」という。
入口にあるバンプではねたのも原因だろう。両チームとも“アシスト役”がクラッシュ、これは痛手だ(ギヤボックス・ペナルティも)
さあ2006年にミハエル・シューマッハーが記録したコースレコード1分28秒954の更新は必至。15時から始まる予選までには縁石などコース路面状態は完全ドライになる。だがその前に行われた「レジェンドF1マシン走行」でオイル漏れなどがあり、セクター1でその処理がなされていた(ちょっと気になる)。
ソフト装着のハミルトンがアタック2周目に1分29秒047。鈴鹿でセッショントップは2年前の15年の予選Q1以来、コーナリングに安定した“スタビリティ”が見てとれる。好感触を握りしめたときの彼は早めにコースに出撃していく。スーパーソフトでQ2一撃成功、1分27秒819、遂に記録は破られた。
そしてそこから、新記録への挑戦を自分に課したハミルトン。Q3の1本目に1分27秒345、2本目に1分27秒319。ややスライド気味に見えたがそれだけプッシュしたい、プッシュできるとマシンを信じていたからなのだろう。
シューマッハーもあの年そうだった。マシンを完全に信頼できるからこそ究極の1周は実現するのだ。平均スピード239.411KMH、昨年よりも約9KMHアップ、鈴鹿はもう高速コースのひとつ――。
個人的なPP予想は<1分26秒台>、それには届かなかった。FP2が台風並みの大雨になったこと、土曜一日だけの“ラバーイン”状態が未完成だったこと、フェラーリ勢のセッティングがもう一つだったこと(レス・ダウンフォース気味)などが挙げられる。この予想は来年の鈴鹿・日本GP第30回までとっておこう。