予選Q2のアタックを担当し、チームに初ポールポジションをもたらした柳田真孝 スーパーGT第7戦の予選が10月7日、タイ・ブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、スーパーGT300クラスはHitotsuyama Audi R8 LMSが1分38秒142で、チーム初となるポールポジションを獲得した。
■Q1
チャン・インターナショナル・サーキットはこの日、2回のスコールに見舞われた。早朝に降った雨は午前中(以下、時刻はすべて現地時間)に行なわれた公式練習中に乾いたものの、セッション終了後にふたたび雨が降り出した。
このスコールは予選セッション開始前には上がったものの、公式予選は気温28度、路面温度30度と南国とは思えない気候のなか、ウエットコンディションでスタートした。
公式予選Q1開始から各車レインタイヤを履いてコースイン。水しぶきを上げながらのアタックとなった。そんななか、まずリーダーボードのトップに立ったのは、Hitotsuyama Audiのリチャード・ライアン。1分40秒803でセッションをリードする。
コース上は徐々にレコードラインが乾き出してきたものの、いまだ水しぶきが上がる状況。セッションはダンプコンディションに強いダンロップタイヤを履くHitotsuyama Audiがトップのまま進行していく。
セッション残り時間2分、ここでJMS P.MU LMcorsa RC F GT3の坪井翔が1分39秒794をマークしトップに浮上。しかし、すぐにライアンがこのタイムを上回る1分39秒593で反撃し、1番手の座を奪い返す。
残り1分、最終コーナーの立ち上がりで30号車TOYOTA PRIUS apr GTがスピンする場面があったものの、赤旗などはなく、そのままセッションは進んでいった。
Hitotsuyama Audiはそのままトップを譲ることなく、1番手でQ2進出。2番手にはラストアタックで順位を一気に上げたLEON CVSTOS AMG、3番手JMS RC F、4番手マネパ ランボルギーニ GT3、5番手Studie BMW M6らが入り、Q2へ進んでいる。
前戦の第6戦鈴鹿1000kmでポールポジションを獲得し、タイトル争いでも3番手につけているVivaC 86 MCはまさかの19番手でQ1敗退。明日の決勝は後方からスタートすることになった。
■Q2
続くQ2は、GT300クラスの予選Q1後に弱いながらも雨粒が落ち始め、広いサーキットのなかで場所によっては青空も見える難しい状況下でセッションは始まった。
コースコンディションが回復することを見越したか、グッドスマイル 初音ミク AMG、B-MAX NDDP GT-R、Studie BMWらがスリックタイヤを選択。しかし、走行した感触でスリックでは厳しいと判断したのか、Studie BMWはアウトラップで再度ピットインし、ウエットタイヤに履き替えている。
Q2のトップ争いはQ1同様に1分39秒台で推移していった。マネパ ランボルギーニ、SUBARU BRZ R&D SPORT、ARTA BMW M6 GT3とトップが入れ替わる。そんななか、Q1をトップで通過したHitotsuyama Audi R8が魅せた。
アタッカーを務める柳田真孝はセッション残り1分で、1分38秒142をマーク。それまでのトップタイムを1秒以上縮めてみせ、トップに浮上。そのままポジションを守りきり、見事にポールポジションを獲得した。Audi Team Hitotsuyamaは今季、これまで予選では二桁台の順位に沈んできた。ついに手にした一桁グリッドは、チームにとって初めてのポールポジションだった。
2番手にはJMS P.MU LMcorsa、3番手にはARTA BMW、4番手にはラストアタックで順位を上げたグッドスマイル 初音ミク AMG、5番手にはSUBARU BRZが続いた。
チャンピオンシップの行方を占ううえでも非常に大きな意味を持つ第7戦。決勝レースも見逃せない戦いとなることは間違いない。決勝レースは10月8日、現地時間15時スタートだ。