午前のフリー走行後、ピットウォーク直前に文字どおり滝の様なスコールに見舞われたタイ、ブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキット。スーパーGT第7戦の予選は雨上がりで路面が乾いていく難しいコンディションのなかで始まり、逆転に次ぐ逆転でKeePer TOM'S LC500がポールを獲得した。
予選Q1セッション、ウエット宣言が出されてのスタート。サーキットのモニター表示ではスタート時の気温は28度、路面温度は30度と、タイにしては低気温。雨上がりの路面コンディションでは当然、できるだけ路面が乾いたセッション最後がもっとも好タイムが出やすいが、雨がまた降ってくるとの情報もあり、セッション開始とともに全15台がコースイン。
ポツポツと雨が降り始めたなか、早めにタイムを出そうとするGT500各マシン。そして最初のアタックを終えた時点ではKeePer TOM'S LC500がトップに立ち、ZENT CERUMO LC500、WAKO'S 4CR LC500とトップ3をレクサスが独占。4番手に前戦の優勝チーム、Epson Modulo NSX-GTが並ぶ。
その後、WAKO'Sがトップを奪い、DENSO KOBELCO SARD LC500が2番手、全15台が続けてアタックを繰り替えす展開に。
15分のセッションのなか、残り9分を切ったところでKEIHIN NSX-GTがトップタイムをマーク。カルソニック IMPUL GT-Rが2番手に入り、3番手にARTA NSX-GTと、目まぐるしく順位が変動していく。
アタックを終えてピットに入るマシンも多くなったが、いずれもピットロード上で再びウエットタイヤに交換してすぐにコースイン。路面状況が良くなるタイミングを探りながら走り続け、タイム更新を狙う。
残り5分を切っても小雨が続いて路面は乾かず、KEIHINからのトップ3は変わらない。やはりミッドシップのNSXはリヤタイヤのウォーミングアップに優れているか、ウエットは強い。その後、残り3分30秒を切ったところで今回の優勝候補の筆頭S Road CRAFTSPORTS GT-Rがスピン。接触はなかったようで外傷はみられず、すぐにコースに復帰するも順位は12番手でノックアウトゾーン。
残り3分を切ったところでカルソニックがトップに。続いてWAKO'S、KeePerの順に。その後も各車両、続々とアタックを繰り返すもトップのカルソニックは変わらずトップチェッカー。2番手にDENSO、3番手にWAKO'Sが入り、Q1ノックアウトはランキングトップのMOTUL AUTECH GT-Rを始め、au TOM’S RC F、そしてS Road、WedsSport ADVAN LC500など今回の優勝候補とみられていたマシンも続々と姿を消し、ブリヂストン勢が雨で優勢のような形で波乱のQ1となってしまった。
12分間で行われる予選Q2も、セッション開始から全8台が一斉にコースイン。雨は収まり走行ラインは乾きはじめており、多くのマシンがドライタイヤでコースイン。ウエットでスタートしたチームは、ピット前でドライタイヤを準備し、履き替えるタイミングを探る。
セッション開始3分となったところでカルソニックがウエットからドライタイヤに交換。その直後にはモニターでDENSOとKeePerがあわや接触の超接近戦となるも、後ろのKeePerが速度を落として間隔を開けて再度アタック。そのKeePerが、まずはトップタイムをマークして最初のターゲットタイムを作る。
残り6分となったところでEpsonが6コーナーでスピン。外傷は見られず、すぐにコースに復帰。そして残り4分となったところでドライタイヤに履き替えたばかりカルソニックが2番手にタイムアップ。カルソニックは翌周も連続アタックし、2番手にコンマ8秒差をつける1分25秒3のタイムでトップタイムをマーク。
すぐにZENTがコンマ4秒差の2番手に付けると、今度はKeePerが2番手を奪い返す。カルソニックはその翌周も自身のトップタイムをコンマ3秒縮める1分25秒0のタイムをマーク。
すると、チェッカーが出たところでKeePerがカルソニックのタイムを0.05秒更新してトップタイムを奪い返す。カルソニックはセクター1,セクター2でKeePerのタイムを更新するも、セクター3でKeePerからコンマ1秒遅れて2番手にとどまり、KeePerのポールポジションが決定した。レッドブルのサポートを受ける平川亮がレッドブルの誕生国でポールを獲得するという、平川にとっては嬉しい結果となった。
3番手からはKEIHIN、WAKO'S、ZENT、ARTA、DENSO、Epsonの順。ウエットとドライが入り交じり、荒れた展開となった予選セッション。翌決勝日の天候も不安定な様子で、決勝も予選同様、ウエットタイヤのパフォーマンス、そしてチームのタイヤ選択が非常に難しい、一筋縄ではいかないレースになりそうだ。