オイルリークによってリタイアとなったヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) 10月6日、WRC世界ラリー選手権第11戦スペインのデイ1が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が総合8番手、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合10番手につけるなか、総合7番手につけていたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)はトラブルによってリタイアとなった。
シーズン中唯一グラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)の両コンディションで争われるラリー・スペイン。その競技初日となったデイ1は、グラベルを中心とする6本のSSが行なわれた。
午前中に行われた3本のSSで、トヨタの3台は思うようにペースが上がらず。午前と午後の間のサービスでマシンセッティングを変更したことで、再走ステージが続く午後はスピードアップに成功。再走1本目となったSS4ではラトバラがステージベストタイムをマークしてみせる。
しかし、ラトバラは続くSS5でボディ下面を強くヒットさせてしまい、その影響でオイル漏れが発生。SS6を前にエンジンが止まってしまい、競技続行が不可能となってしまった。
チームがサービスに戻ってきたマシンを精査した結果、デイ2以降の走行も難しい状況であることが判明。この結果、ラトバラの再出走は叶わず、無念の初日リタイアとなってしまった。
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)は明日からのターマックSSにとても自信を持っていたので残念だよ。しかし、これがモータースポーツというものだ。明日からのターマックSSで、ユホ(・ハンニネン)とエサペッカ(・ラッピ)が良い走りをしてくれることを期待している」とトミ・マキネン代表が語るように、チームはターマックで争われるデイ2以降の巻き返しを図る。
また、マキネンは午前中の不振について「ドライバーはトラクション不足に悩まされたが、日中のサービスでいくつかセッティング変更を施したことで状況はかなり改善された」とコメント。
リタイアが決定したラトバラは「SS5でいくつかミスをしてしまい、その後オイルが漏れていることに気づいたんだ。そしてSS6を前にエンジンが止まり、始動できなってしまった。再出走できずとても残念だよ」とトラブルの顛末を語った。
一方トヨタ勢最上位につけたハンニネンは「期待していたほど良い1日にはならなかったよ。十分な自信を持てず、何度か躊躇してしまった結果、タイムを失い上位の選手と差が開いてしまった」とデイ1を振り返る。
また、午前中のマシンバランスには満足していたというラッピは「最後のSSでブレーキがオーバーヒートし、フィニッシュに向けて制動力が落ちてしまった」と語るとともに「明日のターマックSSは誰にとっても新たなるスタートとなるので、気持ちを切り替えて臨みたいと思う」と意気込んだ。
グラベルで争われたデイ1から一転、デイ2以降はターマックでのラリーとなるラリー・スペイン。各チームのメカニックは初日のグラベル仕様からターマック仕様へとマシンのセッティングを変更する作業に追われるほか、ドライバーもドライビングスタイルや感覚の切り替えが必要となる。
7日に行われるデイ2はターマックのSS7~13、計7本のSSで争われる。SSの合計距離121.86km、総走行距離は477.06kmだ。