先週のマレーシアGPでトロロッソからF1デビューを果たしたピエール・ガスリー。2戦目となる日本GPでは、ヨーロッパのジャーナリストたちから、「次のアメリカGPにも出場するのか。それとも(スケジュールの重なる)スーパーフォーミュラ最終戦に出るのか」という質問が相次いだ。
それに対するガスリーの答えは、「僕が決めることじゃない」「今週末には、決まると思うけど……」と、何とも煮え切らないものだった。
「では、日本GPの結果次第で、決まるということ?」と訊くと、これには即座に「それは違う」と、答えていた。
となると、アメリカGPからのレース復帰を主張しているダニール・クビアトとの契約問題なのか。もうひとつ考えられる可能性は、「ホンダドライバーであるガスリーに、ぜひともスーパーフォーミュラでタイトルを獲ってほしい」というホンダ側の意向である。
今季チーム無限から参戦したガスリーは初年度ながらこれまで2勝を挙げ、0.5ポイント差で選手権2位に付けている。ホンダユーザーでチャンピオンの可能性があるのは、ガスリーだけである。
「もちろんガスリーには、スーパーフォーミュラでタイトルを獲ってほしいです」と、ホンダの山本雅史モータースポーツ部長は言明する。
「われわれにとって非常に大事な選手権であり、しかもこれまで一度も勝てていない。このチャンスはぜひともモノにしたいし、それはレッドブルもトロロッソのトスト代表にも理解してもらってます」
ではなぜすんなり、スーパーフォーミュラ出場と行かないのか。それはやはりクビアトの今季の走りに、上層部が満足していないからだろう。これまで9位入賞が2回だけ。その上ミスやクラッシュも少なくなく、トロロッソの獲得ポイント52点のうち、48点はカルロス・サインツが稼いだものだ。それなら新人ながら十分に安定感を見せているガスリーを走らせたいと思うのも当然である。
とはいえ現状ではガスリーにはスーパーフォーミュラを優先させ、メキシコ以降で再びF1に起用という線を探っているようだ。