マクラーレン・ホンダとして戦う最後の母国グランプリとなる日本GP。ホンダは鈴鹿での大幅なグリッドダウンを避け、日本GPでのスペック4投入を回避した。
ところが、金曜日の夜にフェルナンド・アロンソのICEのハイドロ系にトラブルが発覚。チームはカーフューを破ってアロンソのパワーユニットを6コンポーネントすべて新しいものにする決定を下した。
この決断は、日本GPでのグリッド降格というペナルティを受けるだけでなく、今後のアップデートにも大きな影響を与えることとなった。
というのも、長谷川祐介ホンダF1総責任者はスペック4の投入に関して、「残り5戦しかないので、アップデートは1回で済ませたい」と語っているからだ。
すでに年間4基というレギュレーションを超えたPUを使用しているホンダは、アップデートするごとに大幅なグリッドダウンペナルティを科せられる。そのため、アップデートはPUのマイレージが耐久性を超えるタイミングで行うのが効率がいいからだ。
そうなると、タイミングとして考えられるのはメキシコGPである。現在、ストフェル・バンドーンが使用しているスペック3.7は、イタリアGPの日曜日に投入されたものなので、日本GPを走り切った時点でまだ丸々3レースとイタリアGPのレースディスタンスしか走行していないことになる。
しかも、アメリカGPはマクラーレン・ホンダのパッケージに合っているため、グリッドペナルティは避けたい。つまり、スペック4の投入はアメリカGP後のメキシコGPと考えるのが自然だ。
だが、アロンソは日本GPで緊急措置として最後の切り札を使用してしまった。残りはアメリカGPからアブダビGPまでの4レースと、日本GPの土日。つまり、1基のPUでまかなえるだけのマイレージは確保されているため、信頼・耐久性の観点から考えれば、新エンジンを投入するメリットはないのである。
もちろん、これはホンダの公式発表ではない。また今後、開発が急速に進み、スペック4以上のタマが準備されれば、グリッドペナルティを受けてでも、来年に向けてホンダがもう一度アロンソに新エンジンを投入する可能性がないわけではない。
だが、現時点でアロンソの今シーズンのアップデートは鈴鹿の土曜日に投入されたスペック3.7が、最後となる公算が高い。