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WRC:トヨタ、シェイクダウンで最終調整を完了。「本番を重視したためトリッキーだった」

2017年10月06日 15:41  AUTOSPORT web

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ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)
WRC世界ラリー選手権は10月5日、第11戦スペインのシェイクダウンが行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が6番手、ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が9番手、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は12番手となった。

 前戦から約2カ月のインターバルを挟んでの開催となったラリー・スペイン。シーズンで唯一、グラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)が混在するミックスサーフェス・ラリーとして行われるこのイベントにトヨタはラトバラ、ハンニネン、ラッピの3台体制で挑んでいる。

 競技前に行われたシェイクダウンでは、各選手ともグラベル仕様のセッティングで走行を重ね、事前のテストから設定したセッティングの最終確認を行うとともにマシンの各部が正常に機能するかどうかのチェック作業に終始。

「今回のコースは実際にラリーで使われるSSと大きく異なるため、各システムの確認作業とエンジンのパフォーマンス分析に留めた」とチーフエンジニアを務めるトム・フォウラーが語るように、大きなセッティング変更は行わなかった。

「シェイクダウンはデイ1と同様、ミックスサーフェスのコースだったので、グラベル仕様で走行したが、とてもトリッキーだった」とフォウラー。

「テストコースにセッティングを合わせると明日からのラリー本番に合わなくなる可能性があるため、エンジンのセッティング調整以外のことは特に行なっていない」

 トップタイムを記録したセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)から1.7秒差の6番手につけたラトバラは「ややアンダーステアに感じたが、実際のラリーとは異なるタイプのコースだったので気にしていない。ラリー・スペインでは5回表彰台に登ってるものの、まだ勝っていないから今回は優勝を目指して頑張るよ」と意気込みを語った。

「デイ1はグラベルが中心のコースだが、SS3とSS6の“テーラ・アルタ”は途中でターマック区間があり、タイヤにとても厳しいステージとなる。挑戦のし甲斐がある1日となるだろうね」

 僚友のハンニネンは「シェイクダウンはセットアップにあまり適したコースではなかった。しかし、クルマのフィーリングはとても良く特に何かを変える必要があるとは思わなかったよ」とセッションを振り返った。

「明日のグラベルステージは、ドライならば道の表面を覆うルーズグラベルによって、とても滑りやすく難しい路面コンディションとなるだろうね。しかし、僕はやや後方の出走順だからラインがクリアになっている可能性もある。デイ2からの残る2日間を有利に戦うためにも、明日はできる限りプッシュするよ」

 1本目の走行中、エンジンストールが発生したラッピは「ようやく長い休みが終わり、クルマに戻ることができて嬉しいよ」とコメント。

 シェイクダウンについては「クルマのバランスやセットアップがコースに合っていなかった」としながらも「実際のSSは今日とはかなり違うのからラリー本番ではうまくいくと信じているよ。とにかくクリーンな走りを心がけ、トラブルを避けて、できれば表彰台に登りたい!」とやる気に満ちたコメントを残している。
 
 6日に行われるデイ1はサービスパークの置かれるサロウを中心にSS1~6、計6本のSSで争われる。SSの多くはグラベルだが、SS3とその再走ステージとなるSS6では、コース途中に比較的長いターマックセクションが含まれる。

 この区間でタイヤを摩耗させると、後のグラベルセクションでグリップ力を失うことになるため、各チームとドライバーは全体のバランスを考えながら走行しなければならない。6本のSSの合計距離は115.90km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は510.56kmだ。