アルゼンチンの人気ツーリングカー『スーパーTC2000』と、隣国ブラジルで絶大な支持を得る『ストックカー・ブラジル』の2大"ティントップ"カテゴリーが、先日開催されたSTC2000「ブエノスアイレス200km」の現地にて、2018年シーズンに2戦を予定する交流戦実現に向けたプロジェクトの協議を行った。
アルゼンチンのツーリングカー・イベントの中で年間最大の1戦として位置付けられ、先日10月1日に開催されたブエノスアイレス200km。その会場に、隣国ブラジルからマシン複数台を含めたレース開催に必要な機材一式を持ち込んだストックカー・ブラジルの一団は、来季2018年に向け、このアルゼンチンの人気シリーズとのコラボレーションを実現すべくイベントの合間を縫って主催者との協議に臨んだ。
同時にそのイベント週末には、両カテゴリーのマシンをデモランで並走させるなど、南米を中心に世界中のツーリングカー・ファンに向けて強力なアピールも行った。
「長い期間を経て、ふたたびアルゼンチンに戻ってくることができて光栄だ」と語るのは、ストックカー・ブラジルのシリーズダイレクターを務めるロドリゴ・マティアス。
「我々はSTC2000のプロモーター陣と、とてもよい協議の場を持つことができた。お互いにとって、この新たな試みはシリーズを活性化させる契機になるだろう」
ともに南米で長い歴史を持つ両カテゴリーは、その歴史の中で過去にも幾度かのコラボレーション・レースを開催した実績を持っており、今回の会議では、現行世代の最新レースカー同士の交流を2018年シーズンに少なくとも2戦は具現化することに焦点が当てられた。
「最大の難関と問題はロジスティクスだ。今回、我々のマシンと機材がアルゼンチン入国への通関にかかった時間は12日間だった。すべてのチームのツールやネジ一本に至るまで、チェックの上で登録が必要だったんだ!」とマティアス。
「願わくば、帰国する際にはこれ以上時間が掛からないことを祈りたい。我々も三週間後には、本国でのシリーズ戦が控えているんだからね(笑)」
スーパーTC2000のプレジデントを務めるアントニオ・アブラジアンも「今回のトライアルは2018年にすべてが機能するかどうかを確認するだけでなく、今後もより簡単にレースイベントを共有できるような提携関係を構築したいと考えているんだ」と応じた。
「我々の次のステップは、ストックカーの面々がこの週末にブエノスアイレスに来るまでに掛かった物流のコストや手続きの流れを十分に分析することだ」
「そのデータをもとに、その後は双方のシリーズスポンサーや投資家に、計画に対する支援やサポートを持ちかけることになるだろう」
約500馬力を発生するダッジ製の5.7リッターのV8エンジンにXトラック製の6速ギヤボックスを組み合わせ、安価な鋼管スペースフレームをベースにカーボン補強材を組み合わせた専用の高剛性シャシー使用。特徴的なセンターシートとシザーズドアを持つストックカー・ブラジルと、こちらも特徴的なスズキ製スーパースポーツ『隼』の1350cc直列4気筒をベースにV8化した2700ccの超軽量エンジンを搭載し、同じくXトラック製の6速共通ギヤボックスを採用するSTC2000の饗宴が実現する日は来るか。
開催サーキットに関する正式なアナウンスはまだないものの、ストックカー・ブラジルのマティアスによれば、母国ブラジルのクリティバかサンパウロでの開催を視野に入れているという。