マクラーレン・ホンダF1チームのフェルナンド・アロンソは、同チームで過ごしたこの3年を振り返り、期待していた結果を出せなかったことは残念だが、ホンダという日本企業と働けたことは貴重な経験だったと語った。
2015年にスタートしたマクラーレンとホンダのパートナーシップは、期待していたような成績を挙げられないまま、2017年末で解消されることが決まった。
アロンソは、ホンダがシーズン中に成し遂げたパワーユニットの改善を翌年につなげていくことができず、そのために3年かけても期待したような進歩を果たせなかったと考えている。
パワーユニットマニュファクチャラーとしてF1に復帰したホンダは、最初の2015年には繰り返し信頼性の問題に見舞われ、2016年には向上が見られたものの、今年、新たなコンセプトで製作した新しいパワーユニットにはプレシーズンテストの段階からトラブルが頻発した。
「僕らがこの3年間に直面していた最大の問題は、冬季テストの状況だ。次のシーズンに臨む際に、僕らはゼロからスタートしなければならなかった」とアロンソ。
「そのため、いろいろな部分を大幅に改善する必要があった。(開幕戦の)オーストラリアはテスト、(第2戦の)中国もテスト、(第3戦の)バーレーンもテストだった。そうして最終的にパワーユニットを含めたパッケージがそれなりに機能するようになる」
「次の年にはその位置からスタートして、ギャップをどんどん縮めていけると期待する。ところがそうはならないんだ」
「毎シーズン、エンジンのフィロソフィーやタービンの位置といったさまざまなものを変更しなければならず、そのために進歩が遅れてしまった」
困難な3年間を過ごしたものの、チームがその間に成し遂げてきた仕事を誇りに思い、ホンダと働けたことは貴重な経験だったと、アロンソは語った。
「どんなチームでもアップダウンはあるものだ」
「僕が良かったと思っているのは、日本の人々のメンタリティとともに、誰ひとりとして諦めず、常に努力を続けてきたことだ」
「皆が望んでいた結果を出せなかったことは悲しい。それでも冬季テストで難しい状況であると分かったにもかかわらず、チームが成し遂げてきたことを、皆、誇りに思っている。できるだけ早く問題を解決しようと努力した」
「僕はこのプロジェクトをいつまでも誇りに思うだろう。結果が出なかったことだけを見れば、そうは思えないだろうし、辛く不満が募る時期として思い出されるだろうけどね。実際そうだったし、今もそうだ」
「でも僕は昔から日本が大好きだ。背中に侍のタトゥーを入れているくらいだからね。日本の組織のなかで働くことは、強烈で特別な経験だった。取り組み方が全く違ったんだ」