10月13~15日に開催するMotoGP日本GP。ツインリンクもてぎで争われる最高峰の二輪ロードレースで注目のライダー6名を紹介する。
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■ホルヘ・ロレンソ/ドゥカティ・チーム(ランキング7位)
ホルヘ・ロレンソは1987年5月4日生まれのスペイン人。才能を見いだしたデルビチームと14歳のときに世界選手権参戦の契約をかわした。ただ、当時のレギュレーションで参戦権を得られるのが15歳からだったため、ロレンソは15歳の誕生日を待って2002年シーズンの第3戦から世界選手権デビューを果たすことになった。ちなみに、このときのチームメイトは宇井陽一であった。
参戦2年目には、ケーシー・ストーナー、ダニ・ペドロサ、アレックス・デ・アンジェリスとの激闘を制して初優勝。3年目となった2004年は3勝を挙げてランキング4位に進出すると、2005年にGP250にステップアップした。
ロレンソはGP125クラスではタイトルを獲ることができなかったものの、GP250クラスでは2年目の2006年にタイトルを獲得。2007年はタイトル防衛を果たした。この年のシーズン途中にMotoGPステップアップとともにヤマハと契約。バレンティーノ・ロッシのチームメイトとなることが発表される。
そしていよいよ2008年に最高峰クラスにデビューしたロレンソ。デビュー戦でポールポジションを獲得、決勝でも2位という驚きの好結果を残す。驚異の若手出現はチームメイトのロッシを刺激した。当時はタイヤメーカーがコンペティティブであり、MotoGPクラスにはミシュランとブリヂストンが参入している状況だった。このときロレンソがミシュラン、ロッシがブリヂストンタイヤを履いていたことから、データを共有できないようにピットの真ん中に仕切りを設けるという話題も作っている。
ロレンソはMotoGP2年目の2009年にはタイトル争いにも名乗りを上げた。結果的にはロッシがチャンピオンを獲得しロレンソがランキング2位となったものの、ヤマハ黄金時代を作り上げた。そしてついに2010年、圧倒的な強さでタイトルを獲得。2011年はケーシー・ストーナーにタイトルを奪われるが、2012年には2度目のタイトルを獲得し、さらに2015年には3度目のチャンピオンの座を手にした。
2017年シーズンは心機一転、ドゥカティに移籍した。最高峰クラスではヤマハYZR-M1にしか乗ってこなかったロレンソは苦戦を強いられている。開幕戦から常にレース序盤は上位で周回するものの、レース中盤には上位グループから姿を消してしまう苦しい展開が続いていた。しかし、さすが3度も世界タイトルを獲得している強者だけに、シーズン終盤戦に向けて調子は上向き。第14戦アラゴンでは2017年シーズン表彰台を獲得している。
ツインリンクもてぎでロレンソは最高峰クラス3勝と相性がよく、ロリス・カピロッシ、ダニ・ペドロサと同一で最多勝利数記録を保持している。今年の日本GPでは、ロレンソがドゥカティ移籍後初優勝を飾る瞬間を目撃できるかもしれない。