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レッドブルF1と共同開発の『アストンマーチン・バルキリー』日本初披露。レース仕様の製作も明言

2017年10月04日 18:32  AUTOSPORT web

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『アストンマーチン・バルキリー』とアストンマーチン・バイスプレジデント、マレック・ライヒマン氏
アストンマーチン・ジャパンは10月4日、レッドブル・アドバンスド・テクノロジーと共同開発した究極のロードゴーイングカー『アストンマーチン・バルキリー』を国内初披露した。

 2016年7月に『AM-RB 001』というコードネームでの開発がアナウンスされたバルキリー。空力の鬼才、エイドリアン・ニューエイも開発陣のひとりとして参加するこのプロジェクトは今春、車両の正式名称が発表されると、7月にはより開発が進んだモデルの詳細が公表された。

 今回行われた発表会では、そんなハイパーカーの開発95パーセント段階というきわめて完成形に近いモデルが披露されたほか、バルキリーのデザイン責任者であるマレック・ライヒマン氏が実車を前にプレゼンテーションを行なった。

「すでに発表さているとおり、我々アストンマーチンはレッドブルF1と共同で世界屈指のスピードを誇るベストなクルマを開発した。もちろん、速いと言ってもただ直線が速いだけではない。(バルキリーは)世界中のあらゆる道で最高のドライビングフィーリングを感じ、運転する喜びをわかちあうことができる優れた性能を持っている」とライヒマン氏。

「その点において、我々は1000馬力のエンジンパワーと車体重量の比率が1対1になることを非常に重要なポイントだと考えているんだ」

 走行性能に直結する車両重量は1000kgという目標を達成するために、使用する素材の選択段階から軽量化を図っており、その結果、車体の多くの部分がカーボンファイバー素材で構成されている。

 また、フロントに装着されるロゴバッジには指で触っても段差を感じないほど薄いアルミプレートが採用されているほか、車高は40インチ(1016mm)に抑えられるなど軽量化が徹底された。

 空力面では低速時の安定性を高めるためにフロントとリヤにひとつずつ、計ふたつのウイングを備えるほか、車体下部で巨大なグラウンドエフェクトを発生させる4つのエアチャンネルが設けられた。

 そんなエアロデザインについては「このクルマにはアストンマーチンの“こころ”が込められている。具体的には、多くのアストンマーチン車に採用されているゴールデンレシオ(黄金比率)が採用され、ボディサイドのプロポーションでは3分の1から3分の2という割合が比率として現れている」とコメント。

「このように、F1を戦うレッドブルの技術と、アストンマーチンのロードカーテクノロジーが融合することによって、クルマの心臓部である12気筒エンジン、ギヤボックス、シャシー、そしてデザインなど、あらゆるコンポジットが磨き上げられた結果、皆さまに素晴らしいマシンを届けることが可能となった」
 
 気になるバルキリーの生産台数は限定150台と発表され、すでに全車が売約済みとなっておりキャンセル待つ顧客が数百名いる状況だという。なお、日本国内には11台が導入される予定で、価格は200~250万ポンド(約2億9000万~3億6600万円)の範囲内となるとのことだ。

 ライヒマン氏は質疑応答コーナーで、記者から今後のレース参戦の有無ならびに具体的な参戦カテゴリーについて問われると「フェラーリやポルシェ、マクラーレンといったメーカーと競争し、負かすことができるカテゴリーがあれば参戦したいと思っている」と言葉を濁す一方、レーシング仕様のマシンを25台分制作する予定であることを明言した。