10月13~15日に開催が迫るMotoGP日本GP。ツインリンクもてぎで開催される二輪ロードレース世界選手権の最高峰クラスには、現在六つのメーカーがファクトリー体制で参戦している。各メーカーが辿ってきた歴史や所属するライダーたちを紹介しよう。
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■ドゥカティ(ドゥカティ・チーム)
2003年にMotoGPシーンに登場したドゥカティ。2007年にストーナーをチームに迎え、初タイトルを獲得した。ストーナーは2010年までドゥカティに在籍。しかし、2度目のタイトルをドゥカティにもたらすことはできないまま、2011年にストーナーはチームを去った。
その2011年、ストーナーに替わってロッシが加入。ロッシによるドゥカティにとって2度目のタイトル獲得が期待されたが、一度の優勝すらできずに終わった。こうした背景と2008年に所属したマルコ・メランドリが苦戦して2年契約を1年で打ち切ったこともあり、「ドゥカティのマシンはストーナー以外のライダーが乗りこなすことはできない」とウワサされてきた。
しかし今シーズン、2013年にドゥカティに移籍したアンドレア・ドビジオーゾが5年目にして覚醒。タイトル争いを展開し、ドビジオーゾは第14戦アラゴンGPを終えてポイントランキング2位につけている。
ドビジオーゾのライディングには派手さはなく、人柄も温厚なためにGPパドックでは決して目立つ存在ではない。しかし、玄人好みのライディングでライバルたちの評価は高い。2017年シーズンのドゥカティは、ロッシが成しえなかった「イタリア人ライダーによるイタリアのマシンでのタイトル獲得」が現実となりつつあるのだ。
ドビジオーゾのチームメイトとして2017年シーズンにドゥカティへ新加入したのは、ドビジオーゾのGP250チャンピオンを阻んだホルヘ・ロレンソ。ドビジオーゾと同じく2008年にMotoGPクラスに昇格したロレンソは、3年目の2010年にはMotoGPタイトルを獲得。さらに2012年、2015年とすでに3回のタイトルを取り、華々しい戦績を残してきた。
しかし2017年は2008年から2016年まで所属したヤマハファクトリーから心機一転ドゥカティに移籍。序盤こそロッシやメランドリ、ヘイデンなどドゥカティのマシンに苦戦した名ライダーたちと同じように厳しい戦いを強いられたものの、シーズン後半は上り調子。日本GPでも、ロレンソの活躍には期待できる。