スポーツ庁は10月2日、スポーツ習慣の定着による健康増進を目的とする「FAN+WALK PROJECT」の実施を発表した。第一弾として、スニーカー通勤などの「歩きやすい服装での通勤」を推奨する。
スポーツ庁によると、国民の成人の週1回以上のスポーツ実施率は全体で42.5%だという。2020年の東京オリンピックを控え、この数値を65%まで引き上げることを目標にする中で、働き盛りの20代~40代の運動実施率が30%台前半と他世代より低いことに着目。「この世代(ビジネスパーソン)の実施率を引き上げることが重要」とし、本プロジェクトの実行に至った。
「伸縮性のある素材のスーツを着て遠くまで歩く、でもいい」と担当者
プロジェクトでは、個人が運動習慣を見直し、忙しい中でも今より一日あたり1000歩ほど歩数を増やすことを推奨する。その一例としてスニーカーなどの動きやすい服装での通勤を挙げ、今年秋から、歩くことの効用や、スニーカー通勤を取り入れている企業例などをサイト上で発表していくという。
ネットではこの取り組みに対し、「ぜひ普及してほしい」などと好意的に受け止める人もいる一方、「スーツにスニーカーはダサい。ダサすぎる」と見た目を気にする人も多くいる。たしかに、服装が完全ビジネスモードなのに、靴がやたらスポーティーというのも変ではある。
スポーツ庁の担当者にこうした反応について聞くと、「今は色んなスニーカーが出ていますし、スニーカーはあくまでも、歩きやすい服装の1つの象徴です」と回答。
「本来の目的は無理なく運動習慣をつけることですから、伸縮性のある素材で仕立てられたスーツを着て、ランチでちょっと遠くまで歩く、などでも良いと思います」
と、工夫の余地があることを示した。
ご当地キャラクターとコラボしたアプリのキャンペーンも予定
来年3月には、モチベーションアップのため、アプリによるキャンペーンも実施するという。同庁の担当者は、詳細についてはまだ話せないとしつつ、
「歩いた歩数に応じて何かが起こるような、ゲーム的な要素を取り入れたものを考えています」
と明かした。全国のご当地キャラクターともコラボする予定だという。
「歩きやすい服装」を呼び掛けるにあたり、スーツ以外での通勤を推奨する予定は今のところないそうだが、「クールビズの期間には、ポロシャツにチノパンなど動きやすい恰好の人も多くいました。こういう時期は歩くのにも適しているのではないかと思います」との見方を示した。