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『おそ松さん』第2期は「ちゃんと」している? 待望の第1話「ふっかつ おそ松さん」レビュー

2017年10月03日 13:22  リアルサウンド

リアルサウンド

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 TVアニメ『おそ松さん』(テレビ東京ほか)第2期の第1話「ふっかつ おそ松さん」が、10月2日深夜に放送された。同アニメは、赤塚不二夫生誕80周年を記念して、2015年に制作・放送されたTVアニメ『おそ松さん』の続編。第1期を手がけたスタッフ・キャスト陣が再集結している。赤塚不二夫の名作ギャグ漫画『おそ松くん』を原作とし、クズでニートな大人に成長した6つ子の日常を描く。


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※以下、ネタバレあり


 “帰ってきたら、やっぱりバカ。”という第2期のキャッチコピー通り、予想を裏切らないパンチの効いた物語で復活を果たした『おそ松さん』。予測不能な展開と怖いもの知らずのやりたい放題な内容には、もはや安定感すら覚える。このアナーキーなギャグが癖になるのだ。


 第1期の第1話「復活!おそ松くん」では過激なパロディと下ネタの連発でまさかのパッケージ未収録、配信終了に。“幻の第1話”として今や伝説になっている。そのあまりの吹っ切れ具合に視聴者も騒然となり、同時に『おそ松さん』の世界にズブズブとハマっていった。それもそのはず、『うたの プリンスさまっ』や『花より男子』、『進撃の巨人』など、人気アニメのパロディをこれでもかと存分に詰め込み、フルスロットルで遊び尽くす。まさに“カオス”そのものだったのだ。この衝撃的なニュースで、アニメ『おそ松さん』がより世間に認知されることになったのは言うまでもない。


 そして今回第2期の第1話では、タイトル「ふっかつ おそ松さん」からしてあの“幻の第1話”を匂わせていた。そして、モノクロの画面……そう、第1期の第1話「復活!おそ松くん」同様に赤塚不二夫の原作に忠実なビジュアルで物語は始まる。モノクロ画面に加え、昭和感を漂わせる音声とアニメーション。画面サイズもアナログ放送時代のものに。「またテレビに映ってるよ~~!」と喜ぶ全員同じ顔(誰が誰だか区別がつかない)の6つ子たち。だが、チョロ松の「心配だなぁ。……だって、僕たちのアニメがやってたのはもう2年も前だよ。忘れられてないかなぁ……。みんな待っててくれたかなぁ……」という言葉がきっかけで、テレビを使って彼ら6つ子の未来を観ることになる。


 そこに映っていた彼らは、まさにクズの極みだった。6人それぞれに面影はあるもののでっぷりと太り(一松以外)、まるで別人。というより、肥えた豚のようなビジュアルに(一松以外)。缶詰の空き缶には“あくしゅ1回200円”と汚い字で書かれ、そこにどんどんとお金が放り込まれていく。彼ら6つ子には握手をせがむ女の子が長蛇の列をなし、彼女たちファンはそれぞれ推しメンの『おそ松さん』パーカーを着用。中にはブロマイドを持ってうっとりするファンも。


 つまり、第1期が社会現象を巻き起こすほど人気になったことをそのまま皮肉って、アニメに消化していた。やはり『おそ松さん』は第2期になっても、切れ味が鋭いギャグは健在だった。むしろパワーアップしているのではないだろうか。自分たちの功績までもネタにしてしまうのだから、そのアグレッシブさには感服してしまう。真夏に冷え切った炭酸飲料を喉に流し込むような、爽快感があるのだ。


 そして、もちろんパロディも健在である。こんなクズな未来は嫌だと「ちゃんと」を合言葉に、努力を重ねていく6つ子たち。彼らがたどり着いた先の「ちゃんと」した未来は、これまで売れてきた作品の設定やビジュアルから、ここ最近のブーム“3Dアニメ”や“実写化”までを網羅し、すべて喰らい尽くすというものだった。こんなの笑わないはずがない。今までの期待を裏切らないという意味では、「ちゃんと」したアニメ『おそ松さん』の始まりである。


 第1話からエンジン全開の『おそ松さん』第2期。今後どんな物語で私たちのお腹をよじれさせてくれるのか、楽しみで仕方ない。(戸塚安友奈)