2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race [Clubman Series]第8戦
幸運をしっかり掴んで橋本洋平が今季初優勝
開催場所:スポーツランドSUGO
開催日:2017年09月30日(土)~2017年10月01日(日)
今シーズンも残すところ、あと3戦。TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceの第8戦が、9月30日~10月1日宮城県のスポーツランド菅生で開催された。
クラブマンシリーズのエントリーは45台。これはSUGOのフルグリッドとピタリと同じで、過去最大のエントリー台数となった。
高速コーナーとタイトな低速コーナーが織りまぜられたSUGOのコースは、オーバーテイクポイントが少なく、難しいコースレイアウトになっている。
それはSUGOの走行経験の少ないクラブマンシリーズのドライバーにとっては影響が大きく、セッティングが決め切れずに安定したタイムが出せないドライバーも少なくなかった。
シリーズチャンピオン争いは、シーズン中盤から強さを見せている#38神谷裕幸選手(YH)が3勝を挙げており、ここで優勝すれば場合によってはシリーズチャンピオンが決まる可能性もある。それを阻止するためにも、ブリヂストン装着勢は反撃の狼煙を上げる必要があった。
<予選>
45台が同時に戦うクラブマンシリーズの予選、誰もが混雑することを予想していた。タイミング良くコースインしないと、タイムが出ない。
開始早々にトップタイムを出したのは、#130松井宏太選手(YH)だったが、それをすぐさま神谷選手が上回る。さらに2度目のアタックで1分41秒374を出し、ライバルに強さを見せた。
神谷選手に対抗したのは#75手塚祐弥選手(ブリヂストン)。金曜日に行われた専有走行でもトップタイムを出していたこともあり、PPの最右翼ではあった。
しかしコースインするタイミングが悪く、アタックに入る前に遅いマシンをオーバーテイクする必要があり、その時にダーティーな路面でラバーを拾ってグリップダウンさせてしまい、結果0秒196届かずに2位。
予選4位には、#84橋本洋平選手(ブリヂストン)が入った。混雑のなかでアタックしたタイムでは満足できず、一度クールダウンさせてからの再アタックを予選終了間際に決めて、手にしたポジションだった。
<決勝レース>
オープニングラップで大きな波乱があった。4コーナーとそれに続くS字で、複数のマシンが絡んだクラッシュが発生。3台のマシンがコース上にストップしたため、セーフティカーが入った。
しかし、実はそれよりも前に、すでに大きなハプニングが発生していたのである。4周目にセーフティカーが解除されると、再スタートはそのままのポジションでクリーンなものだった。
しかし5周目、2位を走る手塚祐弥選手に対して、ジャンプスタートの判定があり、ドライブスルーペナルティが出た。そして8周目、今度はトップの神谷裕幸選手にもジャンプスタートの判定が下り、ドライブスルーペナルティとなったのだ。
フロントローからスタートしたトップ2台が、いずれもドライブスルーペナルティを受け戦線から離脱、そこで繰り上がる形でトップに立ったのが、スタートで3位に上がっていた橋本洋平選手だった。
残り3周ではあったが、その背後には#126庄司雄磨選手(ブリヂストン)が迫っていた。加速力に勝る庄司選手が激しくプッシュするものの、橋本洋平選手が巧みなブロックラインでオーバーテイクを許さない。
結果、橋本洋平選手が今季初優勝。2位には#310長島大輝選手(YH)、3位に松井宏太選手という表彰台となった。
クラブマンシリーズで今シーズン初優勝した#84橋本洋平選手(ブリヂストン)のコメント
「スタートは特別良くなかったですけど、3番手スタートの選手が遅れて、それで3位に上がることができました。その後、ジャンプスタートで前の2台が消えて、トップに立つことになったんですね。スタートする前は優勝できるなんて思ってもいなかったので、本当に嬉しいです」
「路面温度が比較的高かったこともあって、タイヤはライバルよりもタイムが落ちにくくて、最後までしっかり走ることができました。終盤には加速力が高い庄司選手に激しく追い上げられたんですが、それでも何とかしのぐことができました」
2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race [Professional Series] 第8戦
完全ではないマシンで阪口良平が5位獲得
開催場所:スポーツランドSUGO
開催日:2017年09月30日(土)~2017年10月01日(日)
プロドライバーたちが競うTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race プロフェッショナルシリーズ。残り3戦、シリーズチャンピオン争いが白熱している。
ポイントリーダーは2年連続チャンピオンを狙う#1佐々木雅弘選手(ブリヂストン)だが、取りこぼしが少なく着実にポイントを重ねてきた#97近藤翼選手(YH)に6ポイント差に迫られている。
3番手は十勝2連戦で連勝した#369平中克幸選手(GY)、4番手にはポイントの多いオートポリスで優勝した#31青木孝行選手(YH)となっている。
じつは今回のレース、ブリヂストンのライバルメーカーが新しいタイヤを登場させたことで、タイヤをスイッチするドライバーが何人か出た。
果たして、圧倒的と噂されるパフォーマンスはどうなのか? それにブリヂストン装着勢は対抗できるのか? そこに注目が集まった。
<予選>
金曜日の専有走行から、ブリヂストン装着勢は苦戦を強いられた。トップ10に入ったのは3台、しかも最上位の#88井口卓人選手(ブリヂストン)でも、4位だったのである。
予選、最初にトップタイムを獲ったのは#47蒲生尚弥選手(ブリヂストン)だった。それを#60服部尚貴選手(DL)が上回り、さらに#90阪口良平選手(ブリヂストン)が更新してみせた。
しかし上位陣を始めとする9台ほどのドライバーは、予選後半でのアタックに掛け、ピットロードで待機していた。残り5分で続々とコースインしたドライバーたち。
そこで#82谷口信輝選手(YH)がコースレコードとなる1分38秒983でポールポジションを獲得。2位には近藤選手、3位に青木選手が入り、ブリヂストン装着勢のトップは4位の阪口選手となった。トップ10には8位に蒲生選手、そしてホームコースでありながら佐々木選手は10位へと沈んでしまった。
<決勝レース>
朝と夜は10℃以下にまで冷え込むものの、日中は秋としては強い日差しが差し込むSUGOは、意外なほど路面温度も高くなる。それがタイヤのパフォーマンスに影響する可能性があったが、しかしここはSUGO。オーバーテイクするポイントは無く、前を走るドライバーのミスを待つことになってしまう。
スタート、青木選手がダッシュを見せ、近藤選手とサイド・バイ・サイドとなり、結局2位へとポジションを上げた。上位3台はその後も接近戦を演じ、ペースの優れた青木選手がトップの谷口選手に並びかけるシーンが何度もあった。
しかし結果として、順位を入れ換えることはできず、そのままチェッカーフラッグを受けた。
4番手からスタートした阪口選手は、2周目まではトップ3台について行ったものの、その後は少しずつ遅れ始め、結果として5位でフィニッシュ。第6戦十勝でクラッシュしたマシンは修復したものの完全ではなく、そのためレースペースを維持することが難しかったようだ。
佐々木選手はオープニングラップで8位にポジションを上げ、その後服部選手とポジション争いをしたが、結局8位となった。また9位には井口選手が入り、ブリヂストン装着勢はトップ10に3台という結果になった。
プロフェッショナルシリーズで決勝5位を獲得した#90阪口良平選手(ブリヂストン)のコメント
「十勝で激しいクラッシュがあってダメージを受けたマシンなので、前戦からオーバーステアになりやすい傾向があったんですね。それをチームがしっかりとテストしてくれたこともあって、予選では何とか誤魔化せたのですが、決勝レースではちょっと無理でしたね」
「スタートして最初の2周は上位3台についていくことができたんですが、その後はオーバーステア傾向が強くて。結果として5位になりました。今のマシンの状況では精一杯でした」