10月13~15日に開催が迫るMotoGP日本GP。ツインリンクもてぎで開催される二輪ロードレース世界選手権の最高峰クラスには、現在六つのメーカーがファクトリー体制で参戦している。各メーカーが辿ってきた歴史や所属するライダーたちを紹介しよう。
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■アプリリア(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)
Moto2、Moto3クラスの前身であるGP125、GP250クラスでは多くのタイトルを獲得してきたアプリリア。ロッシやビアッジ、ロレンソなどのライダーを輩出したメーカーでもある。アプリリアがMotoGPクラスに進出したのは2003年。しかし思うような成果が上がらず、2004年シーズンを最後に撤退した。
アプリリアがGPパドックに戻ってきたのは2012年だ。この年に新設された『CRTクラス』へのマシン供給という形での復帰だった。CRTクラスとはクレーミング・ルール・チームクラスの略称で、プロトタイプのフレームに市販車のエンジンを載せたマシンで戦う。アプリリアは『アプリリアレーシング・テクノロジー(ART)』というプロジェクトを立ち上げて参戦を開始。
ライダーにはアレイシ・エスパルガロ、ランディ・ド・ピュニエを起用し、CRTタイトルを獲得した。翌2013年も同じライダー布陣で臨み、タイトル防衛に成功。しかし、アプリリアはその後、CRTクラス設定の消滅と同時にGP界から姿を消した。
2015年、みたびアプリリアがGPパドックに姿を見せた。翌年の2016年には共通ECUになることで各メーカーの差が縮まり、ワンメイクタイヤがブリヂストンからミシュランに替わる大きな変化を迎えることになっていた。アプリリアはその変革に合わせ2016年からの参戦復帰をアナウンスしていたが、1年前倒しのGP復帰となった。
世界選手権に戻ってきたアプリリアのマシンは、CRTがベース。チーム母体はグレシーニで、ライダーにはアルバロ・バウティスタとマルコ・メランドリを起用した。ドゥカティに移籍したプロジェクトリーダーのジジ・ダリーニャに替わってロマノ・アルベジャーノが指揮を執り、新チームに生まれ変わっていた。
翌2016年は完全新設計のマシンを完成させ、ライダーもメランドリに替わってステファン・ブラドルが加わった。復帰3年目の2017年シーズンはマシンのカラーリングとともにライダーの布陣を一新。エスパルガロと再び契約を結び、MotoGPルーキーのサム・ロウズを起用している。