9月30~10月1日、東京・お台場でFIA公認の史上初となるドリフト世界一決定戦『FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ(FIA IDC)』が行われ、川畑真人(ニッサンGT-R)が初代チャンピオンを獲得。また各国のドライバーが持ち前のドリフトテクニックを披露し、2日間合計で2万55人の観客を魅了した。
FIA IDCは、D1グランプリを運営するサンプロスがFIAの公認を得て開催するドリフト世界一決定戦。記念すべき第1回大会には全14カ国から24名が参加した。
競技は1台ずつ走行してドリフト技術の精度を競う『単走』と、2台が同時に走行して勝敗を決める『追走』のふたつで争われ、30日(土)のレグ1と1日(日)のレグ2でウイナーを決定。2日間の総合結果で初代チャンピオンが争われた。
レグ1の単走では、ライバルより速い97.0km/hという最高速で駆け抜けた斎藤太吾(ニッサンGT-R)が100.42点で優勝。追走では、その斎藤とのバトルを制した川畑が優勝を飾った。翌日のレグ2単走は、高い車速を保ちつつ、大きな角度のドリフトを披露した横井昌志(ニッサン・シルビア)が勝利している。
レグ2の追走では、ベスト8で斎藤と川畑によるレグ1決勝カードの“再戦”が行われたが、2本目の走行中に斎藤にマシントラブルが発生して勝負あり。川畑が準決勝へ駒を進めた。
その川畑は準決勝でレグ2単走ウイナーの横井を上回って2日連続の決勝進出。ロシア人ドライバーのアルカディ・サレグラセブ(ニッサン・スカイライン)とのバトルに臨んだ。
しかし川畑は、先行の1本目でサレグラセブにアドバンテージを取られた上、後追いの2本目でサレグラセブに接触してしまい減点を受け敗北。サレグラセブがレグ2の追走優勝を果たした。
この結果、レグ1とレグ2の単走総合結果では斎藤が勝利。両日の単走と追走の結果を合わせた総合成績では川畑がトップとなり、FIA IDC初代チャンピオンに輝いた。総合2位はサレグラセブ、総合3位は斎藤だった。
「FIAのドリフトの国際大会が開催されると決まったときから優勝したいとずっと思っていました。それが実現できて、すごくいま満足しています」と川畑。
「いろいろな異国の選手と交流する機会があったわけですけど、自分は知らない選手がほとんどのなかで、相手の選手は自分のことを『すごく昔から知っている』と言ってもらったこととか、『それを目標にしてやってきたんだ』っていってくれる選手もなかにはいて、自分は20年くらいドリフトやってきてるんですけど『世界中に知られていたんだ』と、そういう言葉が聞けて嬉しかったです」
総合2位を獲得したサレグラセブは「東京のお台場で初めてFIA のドリフティングカップが開催されるというニュースを聞いた時は、自分が参戦できると思っていませんでした。ゆっくりソファに座りながら生中継を見ようと思っていました。でもプリムリング(※ウラジオストクにあるサーキット)の社長に『がんばればゲットできるぞ』と誘われて、ここまで来たんですが、ここまで来ても、このような順位になれるとは思っていませんでした。いまだに信じられません」とコメント。
総合3位の斎藤は「正直3位はすごく悔しいです。やっぱり優勝目指してやってきたんで、いまは悔しいです」と大会を振り返った。