シンガポールGPで28点差に広がったポイントリーダーのルイス・ハミルトンと2位のセバスチャン・ベッテル。メルセデスが最も苦手としているシンガポールGPで、まさかのノーポイントに終わったベッテルにとって、この28点差は数字以上にダメージが大きい。さらにマレーシアGP予選で最後尾からスタートすることが決定しておりさらに逆風となっている。
だが、ハミルトンは残り6戦には、マシンの特性的に、まだフェラーリのほうが有利なサーキットがあると楽観視していない。
「マレーシアは問題ないと思う。でも、鈴鹿はハイダウンフォースサーキットだから、僕たちにとって最強のサーキットではない。フェラーリが強いだけでなく、レッドブルもああいうサーキットではでごわい相手になるだろうから、かなり接近した戦いになるだろう」
日本GPの後はどうだろう?
「オースティンは問題ないだろう。でも、ブラジルはフェラーリとレッドブルが速いと思う。特にフェラーリは強いだろうね。予想が難しいのは、メキシコ。あそこは約2000mの高地なので、空気抵抗が少なくなるので、僕たちに有利になればいいんだけど……」
だが、メルセデスのチーフレースストラテジストのジェームス・バレスは、メキシコGPが行われるエルマノス・ロドリゲス・サーキットはメルセデスにとって不利なコースになるだろうという。
「あそこは空気抵抗も減るけど、その分ダウンフォースも減るから、空力的にはダウンフォースをマックスにしなければならない。つまり、モナコやハンガロリンクで速かったフェラーリに有利なサーキットだと言える」
バレスは最後にこう付け加えた。
「アブダビもフェラーリのほうがいいだろう」
つまり、マレーシアGP、アメリカGPはメルセデスが有利で、メキシコGP、ブラジルGP、アブダビGPはフェラーリが強い。つまり、実力が伯仲する日本GPは、タイトル争いを左右する重要な一戦となりそうだ。