10月13~15日にツインリンクもてぎで開催されるMotoGP第15戦日本グランプリ。この世界の舞台にワイルドカード参戦する日本人ライダーたちに、日本GPの展望とレースへ向けた意気込みを聞く。
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開催が迫るMotoグランプリ日本GPの最高峰クラスにワイルドカードとしての参戦するのが、中須賀克行だ。日本グランプリには2012年から参戦を続ける中須賀に、レースに向けた意気込みを聞いた。
中須賀は全日本ロードレース選手権JSB1000クラスで2012年から2016年まで5連覇、通算7回のチャンピオンを獲得している。
2017年シーズンはこの年から16.5インチより変更された17インチタイヤに苦しみ、第7戦までを終えてランキングは13位。しかし、オートポリスで開催された第5戦、第7戦では優勝を飾っており、徐々に17インチタイヤへの適応を見せて本来の強さを取り戻しつつある。
MotoGPクラスへの参戦は通算8回目。2012年の最終戦バレンシアGPでは2位表彰台を獲得した。
YAMALUBE YAMAHA FACTORY RACING(ヤマルーブ・ヤマハ・ファクトリー・レーシング)からMotoGPクラスへのワイルドカード参戦が決まったときの心境を、中須賀は「うれしい気持ちの方が大きい」と語る。
「やっぱり年に一度の大きな大会である世界選手権の最高峰のクラスに出られるということは、全日本で走るライダーの誰もが目指すところです。そういったなかで日本人(ライダー)の代表として出させてもらえるというのは非常にうれしく、モチベーションが上がる出来事でしたね」
一方、中須賀はMotoGPマシンの開発ライダーとしての顔も持っている。MotoGPでバレンティーノ・ロッシとマーべリック・ビニャーレスが駆るYZR-M1の開発を務めているのだ。
今回のMotoGP参戦について中須賀は、ヤマハからのMotoGPワイルドカード参戦発表時に「YZR-M1の開発評価が目的となります」とも語っていた。そのあたりはどうなのだろうか。
「基本的には開発なんですけど、レースをして今彼ら(ロッシ、ビニャーレス)が何を求めてるのかを肌で感じて、それを翌年に生かしていくというスタンスです」
「ただ、そのなかでいかに今自分がどの位置にいるのか、自分の実力がどうなのか、そういうことを試せる機会なので、そういった意味で刺激的なことですよね。ひとつでも多くの経験を吸収して全日本にもフィードバックできたらいいなと思ってますし、いい機会だなと思っていますよ」
すでに開催までひと月を切った世界選手権に向けて、中須賀は意気込みをこう語った。
「ワイルドカードでいきなり出場してポイントを獲得できている状態なので、今年もいい位置でチェッカーを受けられるように最善の努力をして、少しでも日本のレースファンのみなさんにいい走りを見せられたらいいなと強く望んでます。今年は全日本の方では少し調子が悪いので、『中須賀まだここにいるよ』みたいなアピールが少しでもできればいいかなと思っています」