雨でフリー走行1回目の開始がいきなり30分遅延するという波乱の幕開けとなったマレーシアGP。その雨も午後には上がり、フリー走行2回目は予定通り15時にスタートした。だが、その2回目のフリー走行ではロマン・グロージャンが右リヤタイヤをバーストさせてクラッシュ。30分遅延でスタートした金曜日は、赤旗の中でセッションが終了するという荒れた一日となった。
赤旗を出した直後に、セーフティカーで現場に駆けつけ、状況を確認したFIAのレースディレクターのチャーリー・ホワイティングによれば、「グロージャンが右リヤタイヤをバーストした原因は、ターン13のイン側のドレイン・カバー(側溝の蓋)が何らかの原因で外れ、その直後に通過したロマン(・グロージャン)の右リヤタイヤにヒットした可能性が高い」という。
現時点でドレイン・カバーが外れた原因は明らかになっていないが、直前に同じ場所を走行していたマシンはタイヤにダメージを負っていないことから、グロージャンの直前に走行していたマシンがターン13を通過した際に、タイヤで引っ掛けて外れたか、あるいはダウンフォースによってドレイン・カバーが浮き上がった可能性が考えられる。
いずれにしても、外れたドレイン・カバーをネジ止めすることは時間的に不可能だということで、「ターン13に関しては溶接することになる」とホワイティングは語る。
さらに「ターン12以外のすべてドレイン・カバーをチェックし、もし溶接な必要な箇所がほかにもあった場合は、夜を徹して溶接することになるだろう」と語り、土曜日のセッション開始までに全力を尽くすことを約束。
土曜日のセッション開始は通常よりも3時間遅い午後2時を予定している。FIAとサーキットは、最後のマレーシアGPを無事に乗り切るため、懸命の作業を続けている。