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WRC:トヨタ、ミックス路面のラリー・スペインに「いくつか新しいパーツやアイデアを投じる」

2017年09月29日 19:11  AUTOSPORT web

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2017年のWRCを戦うトヨタ・ヤリスWRC
2017年からWRC世界ラリー選手権に復帰参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRT。チームが挑む次なる戦いは、10月5~8日に行われるシリーズ唯一のミックスサーフェス戦、第11戦ラリー・スペイン(ラリー・デ・エスパーニャ)だ。

 1月に開幕した2017年シーズンのWRCも、このラリー・スペインを含めて残り3戦。なかでも、スペインでの戦いはシリーズで唯一、一大会でグラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)が入り交じる特殊なイベントとなる。

 デイ1はグラベル中心、デイ2以降はターマック中心のSSが設定されており、チームはふたつのラリーを連続して戦うといっても過言ではない。そのため、マシンには両コンディションでの速さが、ドライバーには路面にマッチするようドライビングスタイルを迅速に切り替えることが求められる。

 また、チームはデイ1の夜に設けられた75分間のサービス時間を使い、マシンをグラベル仕様からターマック仕様にセットアップし直す必要があり、ここでも素早い作業が求められる。

 ラリーの中心となるサービスパークはスペイン北東部カタルニア地方のシーサイドリゾート、サロウに設置される。

 競技は10月6日にスタート。サロウの西側エリアで計6SSが行われる。デイ2はサロウ東北部で7SSが、最終日はサロウ北側から西側エリアで6SSが行われる。全19SSの合計距離は312.02km、総走行距離は1297.62kmだ。

 トヨタはこれまで同様、3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入。ヤリ-マティ・ラトバラとユホ・ハンニネン、エサペッカ・ラッピの3名でマシン性能向上と上位完走を目指す。

「私がドライバーとしてスペインで戦ったのは、現在のようなミックスサーフェス・ラリーとなる前の時代だ。私にとっては未知なるイベントなので、私個人として展望を多く述べることはできないが、ヤリ-マティはもちろんこのラリーのことを熟知している」と語るのはTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表、トミ・マキネン。

「グラベルとターマックというふたつの路面で走るために、他のラリー以上に多くの機材やパーツを用意する必要があり、エンジニアやメカニックの仕事量も格段に増える」

「しかし、彼らはクルマがサービスに入った時にすべきことをきちんと把握しており、そのための準備も充分にできているはずだ。今季ここまで我々のクルマは着実に進化してきた」

「そして今回、いくつか新しいパーツやアイデアを投じることで、クルマがさらに良くなることを期待している」

 ドライバーズランキング3位につけているラトバラは「初日がグラベル、残る2日間がターマックという組み合わせを私は気に入っている」と語った。

「スペインの舗装路はまるでサーキットのようで、WRC最高のターマックSSだと思う。また、グラベルに関しても、とても良いSSが揃っているよ」

「我々のクルマはグラベル(ラリー)のフィンランドで勝つだけの速さがあり、ターマック(ラリー)のドイツでも高いパフォーマンスを示した。だから、スペインでもきっと高い競争力を発揮できると信じている」

 ハンニネンは「事前のテストでは(WRC第10戦)ドイツの時のように、クルマはとても良いフィーリングだった。本番でもドイツと同じようにラリーを戦う予定」とコメント。ラッピも「グラベルとターマックが混合するスペインは、とても挑戦し甲斐がある」と述べている。