インターグローから11月16日に発売されるWRC世界ラリー選手権の公式のゲーム、『WRC7』。前作WRC6からの主な変更点、そして今作の注目すべき点とプレイ感は……? 9月21~24日に幕張メッセで開催された東京ゲームショウのインターグローのブースで、担当者に聞いた話とプレイした様子をお届けする。
インターグローはWRC7の日本でのパブリッシャーで、前作WRC6やGRAVEL、MotoGP17などのレースゲームを多く扱っている。今回話を聞いたのは、そのインターグロー デジタルコンテンツ事業部の山木実氏だ。
WRC7はWRCの2017年シーズン開幕時のデータが入っており、2017年シーズンを構成する全13戦52カ所のスペシャルステージがプレイできる。これはラリーゲームのなかでは圧倒的に多いコース数だという。では、WRC6からどのように変わったのだろうか。
「2016年と同じコースもありますが、コースのデータをすべて作り直しています。グラフィックがとても向上しているんです。もちろんエキゾーストノートも、2017年シーズンのマシンで撮りなおしていますよ」
さらに、ゲームをよりリアリティあるものにするため、WRC7の作成にはWRC3チャンピオンのセバスチャン・シャードネットなどの協力を得ているという。実際のWRCドライバーによるフィードバックが詰まっているのだ。
そんななかでも一番の注目点は、2017年シーズンからトヨタがWRCに復帰参戦したことで登場した、トヨタ・ヤリスWRCだろう。
「ヤリスをプレイできるのは、このWRC7だけです。ぜひプレイして楽しんでいただきたいですね。マシンの挙動や音もちゃんと作り込んでいて、すごくリアルになっていますよ」
山木氏も「ヤリスの登場がWRC7のなかでもいちばんの注目ポイント」と胸を張る。そしてもうひとつ、WRC7に新たに登場したクルマがある。ポルシェ911 GT3 RS RGTだ。
911 GT3 RS RGTは追加コンテンツのボーナスカーで、ダウンロード版は別途購入が必要だが、パッケージ版の初回生産版にはダウンロード用のコードが無料で付いてくる。
「WRCマシンのなかでも、ポルシェ911 GT3 RS RGTだけ後輪駆動なんです。これまでこのWRCシリーズをプレイしている人にはきっと、経験したことがない挙動が感じられると思いますよ。操作感も変わると思いますから、そこも楽しみにしてほしいですね」
WRC7には新たに『エピックステージ』というロングコースが加わった。エピックステージは所要タイムが10分を超え、実際のラリー選手のように何十分も神経をすり減らしながらプレイするということも可能だ。
まさにWRCの臨場感を味わうことができるコンテンツが、さらに加わったと言っていい。しかし、WRC7はそんな玄人が楽しめるコンテンツばかりではない。
「アシストモードがたくさん追加されていて、例えば曲がるときに勝手にドリフトしてくれたりするようなアシスト機能が付いています。それが昨年よりも精度がよくなっているんですよ」
「WRC7はレーシングゲームとして楽しみにしている人もいらっしゃると思いますが、もっと肩の力を抜いてラリーを楽しんでみたいという人にも楽しめるように作っています」
リアリティを追求したグラフィックや音、新たに登場したトヨタ・ヤリスWRCとポルシェ911 GT3 RS RGT、そして幅広いプレイヤーが楽しめるコンテンツやモード満載のWRC7。ゲームファンならずとも、レース好きならぜひとも体感したいところだ。
■細部にまでみられる見られるリアリティへのこだわり
東京ゲームショウのインターグローのブースでは、WRC7をハンドルコントローラーでプレイできる試遊機が設けられていた。ここからは実際にプレイした感触をお伝えしよう。
今回プレイしたクルマはトヨタ・ヤリスWRC、コースはフィンランド。まずプレイしてみて感じたのは、そのリアリティの高さだ。グラフィックのクオリティは高く、美しい。コース上の小石からクルマが巻き上げる土煙、観戦者まで細かく映し出される。
クルマの挙動もプレイヤーにフィードバックされ、サスペンションの動きまでが忠実に再現されている。これは三つあるうちの視点モード、ドライバー視点で特に感じたことで、コースオフしたときの車体の沈み込みと浮き上がりをリアルに感じることができた。
アクセルを全開にしても過剰に横滑りすることはなく、ホイールスピンによって進めないということはない。また、ギヤチェンジすればその音が響き、そのギヤに合わせたスピード感がある。コースアウトすればハンドルコントローラーから手に振動が伝わる。
「エンジンブレーキもかかります。このゲームはぜひともハンドルコントローラーで遊んでほしいんです。その方が、このゲームのすごさがより伝わると思います」と山木氏は語る。
さらに、ゲームを進めていくうちにコースオフや障害物にぶつかってバンパーなどのパーツが破損、脱落するとそれがクルマの挙動に影響するというのもおもしろい。
今回は体験できなかったが、コドライバーの声が聞こえなくなったり、パンクして修理しなければならないなど(その場合、ロスした時間が加算される)のイベントが発生するモードもあるという。
それだけリアリティが高いため、やはり難易度もなかなかのもの。慣れないうちはコースオフせずにゴール地点までクルマを運ぶのは難しいだろう。逆に言えばWRCドライバーの実力の高さを感じられるし、彼らが見ている景色の一端に触れることができるに違いない。
WRC7は11月16日発売。対応機種はプレイステーション4で、価格はパッケージ版、ダウンロード版ともに7980円(税抜き)。ダウンロード版の初回生産版にはボーナスカーのポルシェ911 GT3 RS RGTのダウンロードコードが付く。
また、今回の東京ゲームショウのインターグローのブースでは、『GRAVEL』、『MotoGP17』といったレースゲームの試遊機も用意されていた。GRAVELはオフロードのレースゲーム。海岸や森の中、岩場といった自然のなかのコースからサーキット、スタジアムなど4種類のコースを走破する。クルマの挙動は機敏かつ素直で、簡単なブレーキとアクセルワークで容易にドリフト走行も可能なので、レースゲーム初心者でも楽しめそうだ。
そしてMotoGP17は、2輪ロードレース世界選手権MotoGPの公式ゲーム。186人のライダーと60台以上のマシンが収録され、2017年シーズンのMotoGP開催サーキットでのレースがプレイできる。2輪特有のコーナリングの感覚や繊細なマシンの挙動を感じられ、MotoGPの臨場感を味わえる作品だ。
GRAVELは2018年初春に発売予定、MotoGP17は2017年9月28日発売でともに対応機種はプレイステーション4。MotoGP17の価格はパッケージ版、ダウンロード版ともに7980円(税抜き)となっている。
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