トップへ

正規と非正規の年収差315万円、4年前より15万円ほど格差拡大 業種別で給与が最も低いのは「宿泊業・飲食サービス業」

2017年09月29日 13:31  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

国税庁が9月28日に発表した2016年の民間給与実態調査から、雇用形態による給与格差が4年連続で拡大していることが分かった。

同調査では、2012年から雇用形態別の年収を発表している。2012年の結果では、正規雇用者の一人当たりの平均年収が468万円、非正規雇用者が168万円と、その差は300万円だった。

男性正規雇用者と女性非正規雇用者の1年間の給与差は392万円にも

しかし、翌2013年には両者の差は305万円、14年には308万円と徐々に開いていき、これまで一度も縮まったことはない。今回発表された調査では正規雇用の年収が487万円、非正規雇用が172万円と、4年前より15万円ほど差が大きくなっていた。

正規雇用者の平均年収はこの4年で19万円増えたにも関わらず、非正規雇用者は4万円しか上がっていない。非正規雇用者は勤務年数が短くなりがちなため、在籍年数を積み重ねることで得られる昇給の幅が小さい。最近では人手不足による賃金引き上げを行う企業も多いが、こうした恩恵もあまり受けられていないのかもしれない。

また、雇用形態と男女別に年収を見ると、最も年収が高い男性正規雇用(540万円)と最も年収が低い女性非正規雇用(148万円)とでは392万円の差が生まれていた。

「宿泊業・飲食サービス業」に従事する約3割は年収100万円以下

業種別の平均給与額では、「電気・ガス・熱供給・水道業」の769万円が最も多く、次いで「金融業・保険業」の626万円だった。最も少ないのは「宿泊業・飲食サービス業」の234万円で、例年と同じ傾向を見せている。

給与額の分布に注目すると、「電気・ガス・熱供給・水道業」「金融業・保険業」では800万円以上の人がそれぞれ45.1%、25.5%で最も多かった。一方、平均給与が最も低かった「宿泊業・飲食サービス業」では、100万円以下の人が29.8%と最多だった。

政府は先日、現在の景気状況は「いざなぎ景気を超えた可能性が高い」と発表していたが、雇用形態や業種別の給与格差は是正されていないようだ。