マクラーレン代表のザック・ブラウンは、F1において各チームの条件を形式上公平にするには、バジェットキャップ制度を導入する以外に方法はないと考えている。
F1が収益分配モデルの抜本的改革を推進し、中団チームの経済的な継続性を保護しようとしているなか、バジェットキャップ制度が再び議題に上がっている。
メルセデスやフェラーリといったF1の主要マニュファクチャラーは現行の収益モデルのもと、小規模な独立系チームに比べてはるかに多い予算を使っている。このことが、批判の的となっているチームの二層化の状態を生み出しているのだ。
過去10年間、予算制限はたびたび議論の対象になってきたものの、いくつかのチームが反対し導入は実現されなかった。
ブラウンはコスト制限が必要不可欠だと考えている一方で、制限が適用される範囲と金額は慎重に決定すべきだと考えており、以下のように述べている。
「なんらかの形で予算の制約や制限は導入されることになると思う。ただし金額は慎重に設定すべきだ。チームが経営レベルで取りかかれるようにする必要があると考えている」
「これまでF1で行われてきたこととは異なるが、ある特定の領域における上限を定めるものであったりと、何かしらの予算管理が導入されるだろう。長年にわたって先送りされてきた予算制限が、実現されることになると思う」
フェラーリ、メルセデス、レッドブルとともに、マクラーレンはF1の商業権保持者から特別ボーナスの支払いを受けている。2017年にマクラーレンが受け取る金額はおよそ3000万ドル(約33億8500万円)、対してフェラーリは3500万ドル(約39億4900万円)、レッドブルとメルセデスは3900万ドル(約44億円)となっている。
興味深いことに、条件を公平にするためのバジェットキャップ制度を導入するためなら、マクラーレンは特別ボーナスについては進んで「譲歩する」とブラウンは語っている。
「マクラーレンを代表して言うが、我々は予算制限に賛成であり、重要だと考えている。他のほとんどのスポーツでは導入されていて、結果として競争が公平になる」
「我々は特別ボーナスを受けている4チームのうちのひとつなので、多少は譲歩しなければならなくなる。しかしF1がより健全になれば、最終的には全チームがその恩恵を受けられると考えている」
「我々は素晴らしいレーシングチームだ。他にも多くの偉大なレーシングチームがある。レースをして、他のチームと同じだけのチャンスを得たい」
しかしながらマクラーレンと同様の特権を持つフェラーリのようなライバルチームは、特別ボーナスを諦めるという考えを退けるだろうとブラウンは認めた。
「予算を上げることができるチームは、それを維持するためにできることはなんでもやるだろう。そうすることで競争で優位に立てるからだ。でもそれはサッカーに例えると、選手をふたり多く試合に出すようなものではないだろうか」
「我々は多少なりとも同じ条件で戦うという計画を、進めていく必要がある」