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「新しい地図」がエンタメ界に風穴開ける? 稲垣&草なぎ&香取、Webでの新たな取り組みから探る

2017年09月29日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 9月22日、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人が新たなプロジェクト・新しい地図を始動させた。3人は、9月8日にジャニーズ事務所を退所。以降の展開に注目が集まっていたところ、朝日新聞と東京新聞に公式ファンサイト開設の全面広告が掲載された。青空を背景に、“N・E・W・S 新しい地図”という温かな手書きの文字。S以外のローマ字が反転していることに意味を見出したファンの間では、すぐに“NEW SMAP”と読むことができるのでは、と話題になった。今後は新たにWeb上での活動も活発になっていくと言われている、新しい地図。3人の新たな道のりが示すものとは? 芸能ライターの佐藤結衣氏に聞いた。


(関連:香取慎吾、『スマステ』最終回で「新しい地図」に言及「みなさんと新しい地図を描いていけたら」


「あまりにドラマチックで、エモーショナルな展開の連続に、思わずワクワクしてしまいました。新聞広告を出した背景については、草なぎさんと香取さんが長年パーソナリティを務めているラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)の9月24日放送回で語られていました。解散報道のあった昨年から、朝日新聞と東京新聞に掲載されたたくさんのメッセージに助けられたこと、その感謝の気持ちを返したかったという3人の希望から実現したのだそうです。また、放送では『いろいろやりたいことがいっぱいでさ、ようやく始まったなって!』と、何よりもお二人が楽しそうに話しているのが印象的でした。特に、SNSとの連携は彼らにとって新鮮だったようで、草なぎさんが『移動中にチェックした』と、無邪気に報告する場面も微笑ましかったですね。『ShinTsuyo POWER SPLASH』も、10月1日よりradikoのエリアフリー、タイムフリーに対応する予定だといいます。二人の“親友トーク”を、より多くの方に楽しんでもらえるのではないでしょうか」


 11月2日には、3人がAbemaTVで72時間生放送に挑戦。さらに、香取はInstagram、稲垣はブログ、草なぎはYouTube、とそれぞれがSNSで“ありのまま”を発信していくことが発表された。なかでも、“YouTuber草なぎ”のインパクトは大きく、AbemaTVの公式YouTubeチャンネルに投稿された予告動画は、公開から3日で約100万回再生を記録。その注目度の高さを伺うことができた。


「思えば、アイドルが音楽番組以外に出演するというエンタメ業界に革命を起こしたのも彼らでした。歌って踊るだけではなく、ドラマ、バラエティ、報道……と、マルチなスキルを発揮し、ときに本人の趣味や感性、そして素の表情までも含めて、人間的魅力をエンターテインメントにして届ける。SMAPが示したのは、そんなアイドルの新たな可能性。今では彼らが開拓した道のりが、アイドルとしての王道とされるほどに一般化されていますが、当時は実に新しい取り組みでした。そして今、テレビに迫る勢いで影響力を持つようになったWebの世界。特に最近では子どもたちの将来なりたい職業の一つとしてYouTuberが挙げられるまでになっています。今後彼らが見せるWeb上での新たな挑戦は、再びエンタメ業界に風穴を開けることになるでしょう。多様化する価値観、進歩するテクノロジー……変化し続ける中で、伝統的な文化は間違いなく大きな財産です。しかし一方で従来の考え方に縛られて、未知の領域への一歩を踏み出すことをためらう人も多くいるのでは。彼らの今回の決断は、マンネリ化した毎日を送る大人たちに、“まだまだやれるよ!”と発破をかけてくれているようにも見えます。40代にしてゼロからスタートする3人に勇気と刺激を受けて、日本がまた元気になるのではないでしょうか」


 「さあ、風通しよくいこう」。公式サイトにアップされたメッセージ動画からは、そんなフレーズが目に飛び込んでくる。彼らが手にした“新しい地図”は、私たちの人生という旅路にも新たな風を吹かせてくれる、そんな予感がする。(竹上尋子)