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ヨーロピアンF3:初ポイント獲得の佐藤万璃音「しびれる追い抜きを何度も決められた」

2017年09月28日 18:12  AUTOSPORT web

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佐藤万璃音(モトパーク) 2017年ヨーロピアンF3レッドブルリンク
2017年シーズンよりFIAヨーロピアンF3選手権に参戦している佐藤万璃音(モトパーク)は9月22~24日、レッドブルリンクで開催された第9大会に臨み、24日に行われたレース3で10位入賞。今シリーズ初ポイントを獲得した。

 フォーミュラレース3シーズン目の万璃音にとって今季はニュルブルクリンク、ザントフールトなど初走行となるサーキットが多数あるなか、今戦の舞台であるレッドブルリンクはシーズン開幕前テストで走行を重ねた場所ということもあり、22日の練習走行1回目ではチーム内トップタイムとなる1分24秒104をマークし、6番手につける。

 しかし、続く練習走行2回目ではセクター1でトップ10圏内のタイムを記録するものの全体のラップタイムは伸びず16番手に。レース1のグリッドを決める予選1回目でもラップをまとめきれず17番手に終わった。

 23日の決勝レース1は上位に降格車両が出たため16番手からスタート。オープニングラップで14番手に上がった万璃音はその後も上位を狙っていくが、2周目の競り合いのなかで失速し、ほぼ最後尾に近いポジションまで後退してしまう。それでもレース終盤に追い上げをみせ14位でチェッカーを受けた。

 レース2、レース3のグリッドを決定する予選2回目に向けてチームと万璃音はマシンのセッティングを変更。クルマの動きはレース1までと比べて手応えが感じられたものの、予選2回目ではそのポテンシャルを活かしきれずベストタイム、セカンドベストタイムともに17番手に留まった。

 レースウイーク最終日に行われた決勝レース2は1周目に順位を落としながらもグリッド順位からひとつポジションアップの16位でフィニッシュ。

 迎えたレース3、万璃音は週末のうっぷんを晴らすかのように、積極的な走りで次々とライバルをオーバーテイクし、入賞圏内間近の12番手につける。

 そんななか、最終ラップに先行する2台のマシンが接触によって戦線を離脱。これにより万璃音は10位でチェッカーフラッグを受けると同時に、ヨーロピアンF3挑戦1年目で初の入賞、念願のドライバーズポイントを獲得した。

「2回の練習走行も予選1回目もセッション前半のタイムは良かった。しかし、後半はいずれもタイムがまとまりませんでした。自分で考えていたことはできたけれど、順位が徐々に落ちていた。そこで焦って頑張り過ぎてしまったのかもしれません」とレースウイークを振り返った万璃音。

「決勝レース1のスタートはうまく決まり、14番手へ上がりながらも最後尾近くまで順位を落としたのは、2周目の第1コーナーの位置取りで詰まって行き場がなくなったからです。レース2はそれがすべてでした」

「予選2回目のクルマも調子は良かったし、それはチームメイトのジョエル(・エリクソン)が2連続ポールポジション獲得で証明しました。でも、僕はプッシュし始めてからペースが上がらず、リズムに乗れずに終わってしまいました」

 ユーロF3初入賞については「ポイントを取るまでに27レースも掛かるなんて、シーズン当初は思ってもいませんでした」とコメント。

「決勝レース3のクルマは速く、自分でもしびれるくらいの追い抜きを何度も決められました。ファイナルラップに上位2台がリタイアした結果の入賞でしたが、たとえポイントを獲得できなかったとしても満足のいくレースでした」

 FIAヨーロピアンF3選手権の次戦、第10大会(最終ラウンド)はドイツ・ホッケンハイムリンクで10月13~15日に開催される。