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DTM、2019年からの2リッター直4ターボ使用を明言。将来のクラス1車両の方向を示唆

2017年09月28日 17:22  AUTOSPORT web

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2017年DTM開幕戦ホッケンハイムの様子
9月26日、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションと、DTMドイツツーリングカー選手権を運営するITR e.Vは、それぞれの今季シリーズ最終戦で、お互いの車両がデモランすることを発表したが、このなかでITRは、2019年以降に向けたDTM車両の方向性について示した。

 DTMでは、7月24日にこれまで長年シリーズを支えてきたメルセデスベンツAMGが2019年限りでの撤退を発表。BMWは今後もDTM活動を支えると明言する一方で、新規マニュファクチャラー等、今後に向けた動きが本格化していた。そのなかでDTMと、GT500で車両レギュレーションの共通化を進めているスーパーGTは、互いの最終戦でそれぞれのマシンを持ち込むという、目に見えるかたちでの結束を示すプランを発表した。

 一方その発表のなかでITRは、2019年以降の車両レギュレーションについて、「日本のパートナーと協力して策定された」興味深い方向性を示した。DTMから示された、2019年以降のクラス1規定の方向は下記のとおりだ。

●コスト効率
コンペティティブにレーシングカーを走らせるための費用は、スポンサーシップを通じて得られるランニングコストに置き換えられるレベルでなければならない。そのため、どちらのシリーズともに2019年以降はマニュファクチャラーだけではなく、ワークスが支援するプライベートチームにとっても興味深いものにならなければならない。「メーカーがその技術力を示す高度なマシンと、エンジニアの集団抜きに走ることができる“レーシングカー”が戦えるバランスを見つけたい」とITR代表のゲルハルト・ベルガーは語っている。

●壮大なモータースポーツシリーズ
DTMとスーパーGTはすでに、最高レベルのプロフェッショナルなモータースポーツを提供している。これは今後も優先事項として残される。次世代のマシンは、現在の車両と同様に壮観な外観をもたなければならない。車両は市販車の形状を明確に定義しつづけるが、一方で、衝突時に脆弱だったり、ファンに見えない部分の空力部品は減らす方向となる。「ドライバーの実力を伸ばす、高性能なレーシングカーを求めている」とベルガー。

●安全性
今日のDTM車両とGT500車両は、世界でも最も安全なツーリングカーだ。ノリスリンクでゲイリー・パフェットとマイク・ロッケンフェラーが大きなクラッシュをしたにも関わらず、ドライバーたちは大きな怪我を負うことはなかった。にも関わらず、ITR、DMSB、GTAが課す安全基準は今後強化される。ドライバーを覆うようなカーボンファイバーモノコックは今後も継続され、車体前部、後部、そして側面のクラッシュエレメントはより厳しいレギュレーションが用いられる。


●モダンなエンジン
ダウンサイジングでありながら高性能──。2019年、クラス1のDTM車両とGT500車両の心臓部には、直列4気筒2リッターターボエンジンが搭載される。寸法と素材は、各自動車メーカーが開発する現代のエンジンのパーツによって規定される。これは開発コストを減らし、600馬力以上の均等なパフォーマンスを保証することになる。2000年のコンセプトであるV8を使用するDTMに対し、すでにスーパーGTマシンは4気筒ターボエンジンを使用しているが、日本の自動車メーカーたちはこれらのエンジンが興奮するものであると証明している。

規定を制作している専門家は、排気ガスの効率的な浄化にも注意を払っている。純粋に最高の性能を達しているレーシングエンジンにおいても、効果的な排ガス浄化は、依然としてエンジニアたちにとって挑戦となっている。現在国際的なシリーズでは触媒コンバータは使用されていないが、DTMでは2000年から採用している。ただ安全上の理由から、高性能なV8エンジンの配置によって最大の性能を発揮していなかった。しかし新世代のエンジンでは、大幅な排ガスの浄化を実現することになる。

また、新世代のエンジンは2019年に新たな章を迎える。19年の車両とエンジンのコンセプトは、複数のパワーソースの選択肢をもつシステムへの適応のために設計されている。高価で技術的に複雑なシステムや、バッテリーの重さのためにレーシングカーが遅くなってしまうようなことがないよう、信頼できるソリューションを見つけることが重要だ。