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NASCAR:TOYOTA GAZOO Racing 2017第28戦ロードン レースレポート

2017年09月28日 11:02  AUTOSPORT web

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モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第28戦ロードン
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第28戦ロードン
カイル・ブッシュがポール・トゥ・ウイン!
“プレーオフ”次ラウンド進出を決める

 カップ・シリーズは“プレーオフ”2戦目がロードンで開催。トヨタ・カムリ勢がレースを支配、カイル・ブッシュが今季3勝目を挙げ、前戦のマーティン・トゥルーエクス・Jr.に続き“プレーオフ”の第2ラウンド進出を決めた。
 
 ケンタッキーで行われたエクスフィニティ・シリーズでは今季3戦目の出場となるライアン・プリースが4位。“プレーオフ”を戦うマット・ティフトも9位でトップ10フィニッシュを果たした。
 
 トラック・シリーズも“プレーオフ”に突入。クリストファー・ベルが今季5勝目を挙げ次ラウンド進出。トヨタ・タンドラがトップ4を占めた。

Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第28戦 ISM Connect 300
開催日:9月24日

カイル・ブッシュがポール・トゥ・ウィン!
“プレーオフ”次ラウンド進出を決める

 9月24日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第28戦「米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイ」が開催された。
 
 1周1.058マイルのロードンは、バンク角が7度と低く、「マジック・マイル」の愛称を持つ。カップ戦は年2回開催されており、今年7月の大会ではデニー・ハムリンが勝利。
 
 ハムリンはトヨタ参戦以前の勝利を加え通算3勝。マット・ケンゼスはトヨタはともに3勝。カイル・ブッシュも通算2勝を挙げており、“プレーオフ”に進出したトヨタ勢の活躍に期待がかかった。

 24日(日)この季節としては異例に暑いコンディションとなった午後2時18分、1.058マイルショートオーバルを75周、75周、150周の3ステージ合計300周(317.4マイル:約510km)して競われる決勝レースがスタート。

 2戦連続、今季8度目となるポールポジションからスタートを切ったカイル・ブッシュが首位を逃げ、一旦は差を広げたが、5番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.が徐々に順位を上げていき、首位のカイル・ブッシュに肉
薄。激しい首位争いの末、40周目にトゥルーエクス・Jr.が首位に立った。

 トゥルーエクス・Jr.はそのまま逃げ切ってステージ1を制覇。今季19度目のステージウィンを飾った。カイル・ブッシュが3位、エリック・ジョーンズが4位、ケンゼスが6位、ハムリンが9位でポイントを獲得。

 ステージ2もトゥルーエクス・Jr.が首位を逃げ、カイル・ブッシュが追うという、シーズン後半戦に入って圧倒的な強さを見せる2名での首位争いに。

 ステージ2がファイナルラップに入ったところで多重クラッシュが発生。カイル・ブッシュとケンゼスは間一髪でこれをかわしたが、トゥルーエクス・Jr.が巻き込まれてしまった。

 これによりステージ2は終了。カイル・ブッシュがステージウィナーとなった。ケンゼスが2位、エリック・ジョーンズが4位、ハムリンが8位。トゥルーエクス・Jr.は修復のため18位へとポジションダウン。

ステージ3の再スタートではカイル・ブッシュが首位を逃げる一方、4位再スタートのエリック・ジョーンズが好ダッシュを決め、カイル・ブッシュに続く2位へとポジションアップ。

 このステージ3再開直後、トップ10圏内につけていたハムリンが、ホイールの緩みによる異常振動でグリーンフラッグ下でピットイン。周回遅れの19位へと後退してしまった。

 首位カイル・ブッシュの後方では、エリック・ジョーンズをケンゼスがかわし、トヨタ・カムリのワン・ツー・スリー体勢に。

 263周目、この日3度目のイエローコーションが出され、全車ピットへ向かうと、ほとんどの車両が4本タイヤを交換したのに対し、2本タイヤ交換のギャンブルに出たトゥルーエクス・Jr.が、7位から一気に首位へとポジションアップ。
 
 また、このコーションでハムリンも“ラッキー・ドッグ(コーション発生時に周回遅れの最上位が首位と同一周回に戻れる救済措置)”を獲得し、首位と同一周回に復帰した。

 この再スタートでカイル・ブッシュがトゥルーエクス・Jr.から首位を奪還。再スタート直後にクラッシュでイエローコーション、という展開が2度続いたあと、首位争いはカイル・ブッシュとカイル・ラーソン(シボレー)による、“カイル対カイル”のバトルに。

 ベテランの貫禄を見せこのバトルを制したカイル・ブッシュがトップでチェッカーを受け、今季3勝目。“プレーオフ”2戦目を制すこととなり、前戦勝利のトゥルーエクス・Jr.に続き、“プレーオフ”次ラウンドへの進出を確定した。

 ケンゼスは3位。トゥルーエクス・Jr.が5位。ルーキーのエリック・ジョーンズは“プレーオフ”ドライバー以外での最上位となる6位フィニッシュ。
 
 ステージ1と2の間のコーション時、ピットロードスピード違反を取られ後退しながらも見事な追い上げを見せたダニエル・スアレツが8位に入り、ルーキーイヤーながら今季10度目のトップ10フィニッシュを果たした。

 トラブルで順位を落としたハムリンも12位まで戻してフィニッシュ。ランキングでは、トゥルーエクス・Jr.が首位、カイル・ブッシュが3位、ハムリンとケンゼスも5位、6位と、“プレーオフ”第1ラウンド最終戦となる次戦に好位置で臨むこととなった。

 次戦第29戦は10月1日(日)、米国東部デラウェア州ドーバーのドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ
「(プレーオフ次ラウンド進出を決めて)もちろん嬉しいし、チームの努力に応えられた。この本当に速いトヨタ・カムリをドライブするのは楽しいし、ビクトリーレーンに上れる力を与えてくれたスポンサーやトヨタを含むすべてのパートナーにも感謝する」

「今日はチームにとって素晴らしい一日になったし、我々はレースを通して全てを上手くやり遂げた。78号車(マーティン・トゥルーエクス・Jr.)とのバトルは素晴らしかった。20号車(マット・ケンゼス)も速かったが、彼はロングランで良いものの、終盤のショートランでは我々に分があった。今日必要だったのはそっちだった」



NASCAR XFINITY SERIES
第27戦 VisitMyrtleBeach.com 300
開催日:9月23日

“プレーオフ”開幕戦でマット・ティフトがトップ10

 9月23日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第27戦「VisitMyrtleBeach.com 300」が米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催された。
 
 シリーズの終盤7戦で争われる“プレーオフ”の初戦となった今大会は、カップ、トラック・シリーズが行われているロードンとは離れた場所での単独開催。トヨタ勢では今季よりシリーズにフル参戦し、ルーキーながら“プレーオフ”に進出したマット・ティフトと、今季シリーズ3度目の参戦、前回の第19戦アイオワではキャリア初優勝を飾ったライアン・プリース、今季5度目の参戦、第19戦アイオワでプリースに次ぐ2位フィニッシュを飾ったカイル・ベンジャミンが出場した。

 23日(土)午後8時17分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 
 今季エクスフィニティ・シリーズにデビューし、これまで参戦してきた4戦全てで最前列グリッドという速さを見せている19歳のベンジャミンが、第12戦ポコノに続き今季2度目のポールポジションからスタートを切り、序盤は首位を快走したが、ステージ1終盤に惜しくもかわされ、ステージ1は3位フィニッシュ。プリースが4位、ティフトが7位と3台揃ってトップ10で終えた。
 
 ステージ2はプリースが4位、ベンジャミン7位、ティフト13位。ステージ3はイエローコーションがまったく出ない展開となり、多くの車両が周回遅れとなっていったが、トヨタの若手勢は健闘。プリースが最上位の4位。プリースは今季参戦した3戦全てでトップ5フィニッシュを続けている。
 
 ティフトは9位に入り、ランキング7位と、次ラウンド進出権に留まる位置につけている。ベンジャミンは12位でチェッカーを受けた。

 次戦第28戦は9月30日(土)、ドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。

ドライバー ライアン・プリース
「まずトヨタ、そして今回参戦の機会を与えてくれたチームに感謝したい。トップ5フィニッシュできたことは嬉しいが、私が臨んでいたのは勝利だ。最後のピットイン後は、オーバーステア症状に苦しんだ。その直前までは好調だった。全体的に見れば、4位という結果で終われて良い一日だった」



NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第17戦 UNOH 175
開催日:9月23日

C.ベルが“プレーオフ”初戦を制し次ラウンド進出
トヨタ・タンドラトップ4独占

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第17戦「UNOH 175」が9月23日(土)にニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで開催された。

 トラック・シリーズも終盤の7戦で争われる“プレーオフ”に突入した。プレーオフ第1ラウンドに進出した8名の中に、トヨタ勢ではクリストファー・ベル、マット・クラフトン、ベン・ローズの3人が入っており、タイトル獲得を目指す。

 23日(土)午後1時18分、1.058マイルオーバルを55周、55周、65周の3ステージ合計175周(185.15マイル:約300km)して競われる決勝レースがスタート。

 22歳のベルと19歳のグラッグソンが最前列に並んでスタートを切り、その後、20歳のローズも加わり、トヨタ・タンドラを駆る若手のワン・ツー・スリー体勢に。

 ステージ1終盤はベルとグラッグソンによる首位争いとなったが、残り10周でベルが首位浮上。ローズも最後に2位、グラッグソンが3位、クラフトンが6位、ライアン・トゥルーエクスが7位、17歳のギリランドが8位、エンフィンジャーが9位に入った。

 ステージ2スタート前のコーションでは、大半がタイヤを4本交換するところ、2本交換作戦を採ったクラフトンが首位に浮上。ベルが3位、グラッグソン4位で再スタートが切られたが、その直後にグラッグソンがスピンを喫し、他車と接触。

 70周目のリスタートでベルがクラフトンをかわし、ステージ2もベルが制覇。クラフトンが2位、ライアンが3位、エンフィンジャーが4位、ローズが7,ギリランドが8位に入った。

 ステージ3では、上位5台が2本タイヤ交換作戦を採ったため、ベルは6位へ後退して再スタート。2本交換作戦のライアン・トゥルーエクスが2列目4位から好ダッシュを決めて首位に浮上。これを追ったローズとの首位争いに、ベルが加わり、トヨタ・タンドラの若手による三つ巴のバトルとなった。

 131周目、それまで首位だったローズが再スタートで出遅れ8位へ後退。最後はベルとライアン・トゥルーエクスが首位を争って激しいバトルを展開した。このバトルは、残り15周で首位に立ったベルが制し、今季5勝目。“プレーオフ”初戦を制し、次ラウンド進出を決めた。

 惜しくも初優勝はならなかったライアン・トゥルーエクスは2位、ギリランドが3位、エンフィンジャーが4位で続き、トヨタ勢がトップ4独占。また、プレーオフ進出組のクラフトン、ローズも6,7位と着実にトップ10フィニッシュを果たし、“プレーオフ”ランキングでは3,4位と好位置につけている。

 次戦第18戦は9月30日(土)に米国西部ネバダ州ラスベガスのラスベガス・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー クリストファー・ベル
「カイル・ブッシュ・モータースポーツ(KBM)の一員として走れるなんて、それだけでも夢が叶ったも同然だ。彼らが用意してくれる本当に素晴らしいトヨタ・タンドラで走れるということ自体が名誉だ」

「トヨタ、TRD-USA、KBMの全ての関係者に感謝する。“プレーオフ”初戦で勝てたのは大きい。次戦ラスベガス、特にその次のタラデガにノープレッシャーで勝ちを狙いに行ける。今年5勝を挙げられたなんて信じられない。支えてくれた皆のおかげで得られた勝利だ」