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VERBAL、なぜ海外のファッション業界で評価される? 音楽活動にも通じるスタンスを読み解く

2017年09月28日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 m-flo、TERIYAKI BOYZ(R)、HONEST BOYZ(R)のメンバーとして、多くのアーティストとコラボレーションを果たしてきたVERBAL。近年はEXILE HIROの呼びかけによりスタートしたDJ MAKIDAI、DJ DARUMAとのクリエイティブ・ユニット、PKCZ(R)での活躍も目立つが、彼の活動は音楽のみに留まらない。


(関連:VERBALが目指す、理想のパフォーマンス「“思い出作りマスター”がオーディエンスをロックできる」


 先日発表された、イギリスのオンラインメディア 『The Business of Fashion』による、ファッション業界を形成する最重要人物500人「BoF500」。その2017年版にAMBUSH®創立者のVERBAL&YOONが3年連続で選出された。2013年からスタートした「BoF500」にはこれまで、元Chloéデザイナー、現Célineクリエイティブ・ディレクターのフィービー・ファイロや、Instagram創設者、ケヴィン・シストロムなど錚々たる顔ぶれが並んできた。 2017年の「BoF500」に日本から選ばれたのは、モデル・福島リラ、伊藤忠商事代表取締役・岡藤正広、sacaiデザイナー・阿部千登勢のほか、『VOGUE JAPAN』編集長・渡辺三津子などVERBAL&YOONを含むわずか13人だ。


 VERBALと妻・YOONは2008年、ANTONIO MURPHY & ASTRO(R)のセカンドラインにあたるジュエリーブランド・AMBUSH(R)を設立。代表作とも言えるアメコミ風のPOW!(R)モチーフとしたアクセサリーなどを展開し、ユニセックスブランドとしてsacai、シュウ ウエムラ、UNDERCOVERなど有名ブランドとのコラボレーションも実現してきた。ファッショニスタから一目置かれる存在であるとともに、名だたるアーティストからも熱い支持を得ているブランドだ。もともとVERBALと親交のあった、ラッパーでありストリートファッションのアイコンでもあるカニエ・ウェストがAMBUSH(R)のアクセサリーを身に着けたことで一気に知名度を上げ、Jay-Z、ファレル・ウィリアムス、レディー・ガガといったビッグネームに愛されている。


 2016年には渋谷に初の路面店をオープンしたAMBUSH(R)。国内はもちろん、アメリカ、カナダ、フランスなど世界中にその名を広め続けている。最近では若手デザイナー支援プロジェクト・LVMH PRIZEのAMBUSH(R)のスペースにリアーナが足を運んでいたほか、渋谷の路面店にカニエ・ウェストが来店。リアーナがチョーカーを着用したり(https://twitter.com/VERBAL_AMBUSH/status/838262623099461632)、カニエがiPhoneケースを使用している様子(https://twitter.com/ambushdesign/status/895269865979756545)からも、いかにAMBUSH(R)が支持されているかが分かるだろう。


 VERBALは過去、当サイトのインタビューで音楽で手にした最初の印税でアクセサリーを買ったことを明かし、「「自分でカスタムしたアクセサリーが欲しいな」って思ってた」と語っていた。そんな彼の思いを体現したようなブランドだからこそ、多くのアーティストに愛用されているのかもしれない。


 10月1日からはMoMA(ニューヨーク近代美術館)で開催の展覧会『Items: Is Fashion Modern?』にもAMBUSH(R)のアイテムが展示される。創立時から“メイドインジャパン”にこだわり世界で展開し続けるAMBUSH(R)の姿勢は、「世の中がワクワクするような、日本・東京の新たな魅力を世界に届ける」ことを目標に掲げるPKCZ(R)にも共通するものだ。


「ライブと一緒で、ファンの声を聞くことも大切だと思っています」(VERBAL)(参考:「アンブッシュ」の旗艦店はブランドの世界観とカルチャー発信の場所(WWD JAPAN) https://www.wwdjapan.com/322387)


 その言葉通りファンの意見に耳を傾けながら、VERBALには今後も音楽とファッション両方の側面から、PKCZ(R)のテーマでもある“MIX the WORLD”を実現してほしい。(村上夏菜)