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『クラス1』5車種がそろい踏み! DTM最終戦でLC500とGT-Rがデモランへ。SGT最終戦にDTM車も

2017年09月27日 22:22  AUTOSPORT web

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DTMホッケンハイムでデモランを行うことになったレクサスLC500開発車
スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションと、DTMドイツツーリングカー選手権を運営するITR e.Vは9月27日、10月13~15日にドイツのホッケンハイムで開催されるDTM最終戦で、GT500で活躍するレクサスLC500と、ニッサンGT-RニスモGT500がデモランすると発表した。

 2009年にDTM代表団がスーパーGTもてぎを訪れて以来、その統一化がスタートしたDTMとGT500の共通レギュレーション『クラス1』のコラボレーションが、ついに目に見えるかたちの“第一歩”を踏み出すことになった。DTMとスーパーGTは27日、GT500で活躍する3車種のうち、FRレイアウトの2車種がDTM最終戦ホッケンハイムでデモランを行うと発表したのだ。

 27日に発表された内容によれば、ホッケンハイムに登場するのはレクサスLC500の開発車両093号車と、2016年にスーパーGTを戦った1号車ニッサンGT-RニスモGT500の2台。スーパーGTはその1週間前にタイでレースがあるため今季の実戦車両ではないが、それでも十二分に意義があるだろう。2台のドライバーは明らかにされていないが、ヨーロッパでの走行ということもあり、外国人ドライバーが予想される。2台は10月13日(金)に30分間のテスト走行を実施。土日にそれぞれ15分間を走行する予定だという。

「これは私たちにとって大きな名誉だ。スーパーGT車両が初めてDTMイベントに登場することを嬉しく思う」と語るのは、ITR会長のゲルハルト・ベルガー。

「これはファンにとって特別なものになるだけではなく、DTMの未来への強い兆しであり、日本のGTAと彼らのシリーズに参戦する3メーカーとの協力がどれほど真剣に進んでいるのかを示している」

■ツインリンクもてぎにDTMマシンが登場か!?
 また、GTアソシエイションの坂東正明代表は「我々は、ホッケンハイムでスーパーGTの車両が走ることを楽しみにしている。これは、スーパーGTとDTMとの密接な関係を反映したものだ」と語った。

 さらに坂東代表は、非常に興味深い内容の発言も残している。なんと11月11~12日にツインリンクもてぎで開催されるスーパーGT最終戦に、DTM車両が登場するとした。

「双方のシリーズは、世界的に著名なメーカーが参戦していることが特徴だ。そして次は、日本のファンがDTM車両を体験する機会を得られることがとても大切になる。スーパーGT最終戦に、DTMが車両を送る予定だ」

 スーパーGTとDTMは、09年に協議を開始して以来、似通った性質のあるGT500とDTM車両の規定統一化に向け動き出し、12年からDTMで先行して車両規定が使用され、2012年10月にSGTとDTM間で契約を締結。2014年からはGT500車両も同規定のものが使用された。

 ただ、両者の車両はセミ耐久とスプリントというレースフォーマットの違いやタイヤ開発の有無、さらに14年からGT500で使用された2リッター直4ターボ“NRE”エンジンと、自然吸気4リッターV8を使い続けるDTMと、エンジンの差もあった。これらを埋めるためにGT500で得られた情報をDTM側と共有したり、『ステアリング・コミッティ』と呼ばれる会合を経て、両者のコラボレーションは歩みを続けてきていた。

「新しい規制に関する作業は本格化している」とベルガーは語り、2019年からDTMでも2リッター直4ターボが使用されると明言した。

 そんな両者の狙うものは、両シリーズ参戦メーカーの相互乗り入れ、そしてGT500とDTMによる“世界一決定戦”の実現だ。日独の6メーカーが争う戦いが実現すれば、それは必ずファンの関心を集めるはずだ。今回ホッケンハイムとツインリンクもてぎで実現するデモランは、そんなファンの夢のシーン実現に向けた第一歩と言える。