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藤井麻輝が語る、新たなスタイル確立したminus(-) の音楽性「延々変わらない部分が再確認できた」

2017年09月27日 19:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 minus(-)の新作ミニアルバム『R』が完成した。昨年森岡賢が急逝し、藤井麻輝のソロユニットとして再出発した新生minus(-)のデビューアルバムとも言える作品だ。新曲3曲とリミックス1曲、昨年のアルバム『O』収録曲「LIVE」のリメイクが収められ、YOW-ROW(GARI/SCHAFT)、菅波栄純(THE BACK HORN)、玲里、佐々木亮介(a flood of circle)など多彩なゲストを迎え、これまでのminus(-)の路線を受け継ぎつつ、新生面を開拓した意欲作である。(小野島大)


・以前のminus(-)に比べると突き詰めっぷりは数段階上がってる


ーー新作ミニアルバムが完成しました。今回なぜタイトルが「R」なんですか。


藤井麻輝(以下、藤井):今回は全部ラブソングなんですよ。でもそのまま「L」にすると、ストレートすぎる。なら「R」かなと。RIGHTとLEFTでもあるし。「L」だとなんかね「DEATH NOTE」っぽくてイヤだったんですよ(笑)。


ーー(笑)そういうことですか。で、「R」だから、らんちゅうがカバー写真。


藤井:はい。あと「R」にはRejection(拒絶、排除)という意味もあるので。そこには森岡賢がいなくなった、という意味もある。


ーーアルバム『O』のインタビューで、新作は夏ぐらいに出したいとおっしゃってたので、ほぼ予定通りですね。構想段階から完成まで、スムーズに作業は進行したということでしょうか。


藤井:いや……がっつり作り込んでいる間は、すごくいいなと思ってたんですけど、ふと気づいたら、ちょっと違うなと思って。そこからちょっとだけ方向転換して出来たのがこれなんですよ。


ーーちょっと違う、とは?


藤井:えーと……よそ様の想像するminus(-)像と乖離しすぎてた……。


ーー「よそ様」って誰ですか(笑)。


藤井:(笑)要するに僕以外。


ーー森岡さんがいたころのような音を期待する人、ということですか。


藤井:そもそも、いない人のことを期待されても困るんで。それはないんですけど。要するに……踊れる要素? 


ーーなるほど。それで4曲目(「LIVE -advanced」。『O』収録曲のリメイク)を入れたと。


藤井:それもあるし。あとはほかの曲に関しても、今までみたいな性急なビートじゃないけど、踊れる要素を入れてみたんです。


ーーふむ。今作は最初から森岡さんがいない状態で作られた最初の作品なんですが、そもそもどういうアルバムにするつもりだったんですか。


藤井:いや、全然。そもそも作る時に構想めいたものを考えるタイプじゃないから。


ーー最初に作った曲はどれですか。


藤井:全部並行して作り始めるんですよ。なので全部同時っちゃ同時。ボツになった曲を含め、3~4曲の原型が出来た時点で、アルバムの全体像が見えてきました。


ーーリメイクの4曲目を除いて、全編スロウからミディアムのダウンビート・エレクトロニカになってますね。


藤井:うん、僕だからそうなってしまう……のかな。


ーーそれで途中で、ダンサブルなものを期待する周囲の声と乖離していると気づいたと。


藤井:うん、そうですね。僕は1曲目から3曲目でも十分踊れるんですけどね。だから、僕なりのノレる感じ?


ーー1~3曲目みたいな感じって、これまでのminus(-)にはなかったですよね。


藤井:うん、そうですね。それにここまでちゃんと練ってなかったし。


ーー以前のminus(-)は、あえて未完成の部分を残して仕上げていたわけですよね。ライブでバージョン・アップしていくという前提で。でも今作はかなり完成度の高い音源になっていると感じました。


藤井:そうです。今回も、まだ未完成ではあるんですよ。でも以前のminus(-)に比べると突き詰めっぷりは数段階上がってると思います。一人でやってるから(笑)。


ーー(笑)また身も蓋もないことを……たった1人で、新たにminus(-)の楽曲を作るということで、なにか思うところはあったんですか。


藤井:思うところ……はそんなにないですよ。


ーーとりわけ意識することもなく自然に。


藤井:自然に、というか惰性というかルーティンワークというか。


ーールーティンワーク!


藤井:だってねえ……(笑)作品は出し続けないと生きていけないので。生業ですから。


ーーでも藤井麻輝のソロを作るのとは違う意識なわけですよね?


藤井:うん……そのへんは微妙なところというか若干の葛藤があるんですけど……でも、まあ(今作は)ソロですよ。


ーー自分のソロを作るつもりで、自分のセンスで、自分の作りたいものを作った。


藤井:基本的な考え方としては。ただ、ソロの名義をminus(-)にしたっていうところで、若干の意識の違いがあって。


ーーあ、ソロの名義を藤井麻輝ではなくminus(-)にした、ということですか。これとは別に藤井麻輝ソロがあるのではなく。


藤井:うん、そう思ってます。


ーー2人メンバーがいたバンドを1人で受け継いでいる、という意識ではない?


藤井:うん。受け継いではいるけど、受け継いだのは屋号だけ、みたいな。


ーーその屋号がminus(-)である必要はあったんですか。


藤井:うーん……そのへんはいろいろ紆余曲折があって。最初はね、名義をきっぱり変えてもいいんじゃないの、と思ったんです。これ完全にソロだし。でいろいろ相談して……。


ーーminus(-)名義の方が良かろうと。


藤井:うん。


ーーでもminus(-)という名義だと、ファンも含め周囲が期待する音楽性が出てきますね。


藤井:うん、でもそこは変化として受け止めてもらえるという自負もあるので。


ーー2人から1人のユニットになったから当然変化はある。でもこれまでのファンにも納得してもらるような作品になったはず。


藤井:……と思いますが、そこらへんは発売してみんなに聞いてもらわないと、わからないですけどね。


ーーそうですね。先日のライブでも本作の曲はやってましたよね。反応はいかがでした?


藤井:非常に良かったです。格段に過去のとは完成度が違うので、いいとは予想してたんですけど。提示したいことが提示できるポテンシャルがある曲たちだから。ただそこに、ある1人の影が見えないことに対するネガティブな意見もあるかなという懸念もありましたが、それを払拭できるぐらい評判良かったから、まあ間違ってなかったのかな、と。


ーー一応評判を気にするんですね(笑)。確かに非常に完成度は高いし、これまでのminus(-)にはない音楽性も聞ける。でもminus(-)の作品としてもまったく違和感がない。特に1曲目から3曲目の流れはすごく良かったです。


藤井:うん、そう思います。


・ドローンは僕にとって、なにかのルツボ的なもの


ーー楽曲はどこから作り始めるんですか。リズム?


藤井:昔はベースラインから作ってたんですけど、今は大概ドローン。最初はドローンだけ作って、延々流しながら気持ちいい~って浸って、さてここからどうしようかなと考えて、いろいろ乗っけていく感じです。ドローンを延々聞いていると見えてくるんですよ。メロディだったりフレーズだったり。浮いてくる感じってですかね。そういうのを乗っけていくとだんだん楽曲になっていく。


ーードローンっぽい曲はSOFT BALLET時代からやってますよね。


藤井:延々とやってますよね。


ーーその頃と感覚としては同じ?


藤井:いや、あの頃はもっと……ドローンはテクスチャーの一部であって、基本骨格はベースだと思って作ってたから。あれはあれで特殊なバンドなんで。メロがどうのというより、ビートを作ってた感じ。


ーーそこからドローン中心になってきたのは、アンビエンスなテクスチャー中心の音作りに変わってきたということですか。


藤井:僕の場合、ドローンはアンビエントと捉えてないんですよ。ドローンって僕にとって、音楽の中心的な位置づけでありつつ、なにかのルツボ的なもの。


ーーいろんなものが溶け合っている。


藤井:はい。もしくはコロラドの川、的な。


ーーコロラドの川?


藤井:そこに砂金が眠ってる的な。


ーー(笑)なるほど。ドローンを作る時はどんな意識なんですか。


藤井:なんて言えばいいのかな……当然音をいじっている以上考えてはいるんでしょうけど、あまり論理的な思考を介在させずに。シンセのツマミを2個ぐらいあれこれ操作しながら作っていく感じ。それを録音したものを延々と聞いて、重ねたりしながらボケッと一カ月ぐらいすると、なにかが浮かんでくることもあり……。


ーー効率が悪そうな作り方ですね(笑)。


藤井:うーん、作為的に作らない手法ってそれしかないんで。


ーー「作為的に作る」というのは、事前に「こういうものにしたい」と明確に構想を立ててそこに向かっていろいろ作業する、というやり方ですか。


藤井:とか、コード展開を考えながら、とか。そういうやり方はあまりしたことないし、向いてないし、いやですね。


ーーへえ。いつごろからそうなったんですか。


藤井:……90年代終わりぐらいからかな。


ーーSOFT BALLET解散後ってことですね。それは通常のポップミュージックやロックミュージックの形式から自由になりたい、という意思ですか。


藤井:いや全然。そんな森岡賢的なことは考えないんで(笑)。要はフォーマットを決めて作る作業が向いてないんですよ。そうやって出てくる自分のものにもときめきはないし。


ーー楽曲のサイズはどう決めるんですか。


藤井:曲の求めるままに作っていけば、ちょうどいい案配に収まるんです。何分以内に収めるとか考えないですね。


ーーつまりドローン・ノイズを聴きながらあれこれイマジネーションを逞しくして、浮かんでくるものを楽曲に仕立てていく。


藤井:それだけ、ですね。


ーーなるほど。でも作っている途中段階でも、「こういうものにしたい」というビジョンは湧いてこないんですか。


藤井:「浮かんでくる」っていうのは何らかの潜在意識が必ず働いてるんで。『R』というミニアルバムを作ろうという意識は根底に必ずあるから。「浮かんできた」っていうのも、「浮かばせてる」わけですよ。


ーーふむ。これで完成、というジャッジはどう下すんですか。


藤井:それはもう、〆切り逆算ですね。今回はマスタリングの日程と、大阪東京のライブ(8月22日、24日)があったので、それまでに完成するように。


・フィジカルな存在として、minus(-)っていうのはありなんだ


ーーなるほど。今回はゲストがいろいろ参加してますね。ライブではすべて藤井さんご自身が歌ってるわけですが、音源でもご自分で歌うことは考えないんですか。


藤井:いやいやいや。クオリティが段違いですから。


ーーそれぞれのミュージシャンの参加の経緯を教えてください。


藤井:今回は皆さん知り合いなんです。1曲目「Below Zero」の玲里さんはスタジオでよく会ってて。一度アレンジだかプロデュースだかをお願いしたいと言われことがあったんです。その時はスケジュールが合わなかったんですど、いい声の持ち主なんで、今回お願いしてみました。


ーーこういう高音がキレイに伸びる感じの透明感のある女性ボーカルが好きですよね。


藤井:そうですね。日本人ぽくない感じ。


ーーこの曲、Massive Attackっぽいと思いました。


藤井:ああ! そういうつもりはまったくなかったですねえ。ビート感ですかね? (そういう感想は)初耳。


ーーえっ、そうですか。


藤井:『R』について語った取材ってこれが初めてですもん。今後はどうなるとか、どうしてこうなったかとか、そういう取材は多いけど、アルバムの内容について訊かれるのは初なんで。なのでちょっと嬉しいんですよ。


ーーじゃあもっと喜んでください。


藤井:十分喜んでますよ!


ーー(笑)ははは。a flood of cicleの佐々木亮介さんは?


藤井:この方は去年スタジオで初めてお会いして。曲とか聞かせてもらったんです。僕いまR&Bとかブルースとかソウルとか、そっちの音楽に若干興味があって、そういう要素を入れられる身近な人ってことで考えたら、彼のことが浮かんできて。


ーーa flood of cicleと藤井さんって全然接点なさそうですけどね。


藤井:うん。僕にないものばかり持ってる方だなと。アメリカンな感じ? 楽曲としても、僕としてはアメリカ寄りに振ってるつもりだったんですよ。ベースの感じとか。さらにもっとコアな血を入れてほしいと思って(佐々木に)ギターをお願いしたんです。


ーーこの「Below Zero」は、これまでのminus(-)の感じと、これから藤井さんがやろうとしていることを、うまく接続してるように思います。


藤井:はい、そうですね!


ーー2曲目の「Drop」も同様にyurariという女性ボーカルをフィーチャーした曲ですが、最近のエレクトロニックなR&Bに近い印象です。


藤井:これは古いんですよ、10年ぐらい前に、睡蓮のために作った曲なんです。


ーー睡蓮ともちょっと違う感じですね。


藤井:睡蓮が次に行こうとしていたところのプロトタイプ的な。


ーー睡蓮は日本的な情緒とか美学を感じさせる音楽性でしたけど、そこからこういう音楽性に移行しようとしてたと。藤井さんご自身が意識してたかどうはわかりませんが、そういう曲から、新しいR&Bと共振するものが感じられたのは興味深いです。


藤井:なら嬉しいですね。僕ほかの音楽全然聞かないので、最近の音楽についてまったく知らないので。


ーー3曲目と5曲目は、同じ「Spell」という曲の別バージョンです。ボーカルはSCHAFTでも一緒にやったYOW-ROWさん(GARI)ですね。


藤井:彼とは2007~8年ぐらいから、なんだかんだ一緒にやっていて、信頼してるボーカリストですね。


ーーちょっと頽廃的で重厚な感じの美しい曲ですが、YOW-ROHさんの声質に合ってる気がします。


藤井:この曲ではやりたい世界があって、割とどっぷりしたUKロックの線を狙ったんですよ。MuseとかPlaceboとか、あのへん。僕は今までほとんど提示してこなかった世界なんですけど、実は大好きで。彼の作品系譜の中でも珍しい感じの曲になってると思います。泣きのバラードという。


ーーYOW-ROWさんといい、次の「LIVE -advanced」に加わっているAnisさんといい、珍しく男性ボーカルを起用してますね。


藤井:声が良ければ使いますよ。あとは音程とか発音。YOW-ROWは(英語の)発音以外は完璧ですね。


ーー5曲目の「Spell -ver.1.0」の方にはTHE BACK HORNの菅波栄純さんが参加しています。菅波さんは睡蓮のアルバム『音ヲ孕ム』(2007年)にも参加してます。彼の良さってどういうところにあるんですか。


藤井:あの人はねえ、なんかわかってくれるんですよね、曲が呼んでることを。それをちゃんと具現化して提示してくれる、日本では稀有なギタリストだと思います。僕の知る限り、REDRUMの(武内)剛君と、菅波君ぐらい。


ーーライブでは非常に激しく情熱的なプレイをする人ですけど。


藤井:ライブ見たことないんですよ。睡蓮で弾いてもらった時は、ギタリストを探してる時にTHE BACK HORNのCDを聞いて気に入ったのがきっかけです。今回は本当に時間がなかったので、音源を送って、(ギターを)入れてもらったんですよね。


ーー何か指示は出したんですか。


藤井:ないです。「ご自由に」って。


ーーなるほど。そこで、曲の呼んでいるものちゃんと形にしてくれた。


藤井:そうそう。「ああ、これですこれです。これしかありません」って。結局口で説明して入れてもらうなら、自分でプレイするのと同じですからね。


ーー藤井さんもギターを弾くわけで、自分で弾いてもいいものをあえて菅波さんに頼んだ。それは彼にしかないものを弾いてもらいたいわけですよね。


藤井:そうそう。でも彼はそこで余計なものを一切足さず、なおかつ僕のスキルでは到達できない完成形を提示してくれました。


ーー4曲目には『O』収録曲のリメイク「LIVE -advanced」が収録されています。唯一のアップテンポのイケイケのダンスナンバーですね。


藤井:4曲目はボーナストラック的な位置づけですね。3曲目の「Spell -Sunbtraction」は5曲目の「Spell -ver.1.0」のリミックスなので、「Below Zero 」「Drop」そして「Spell -ver.1.0」と繋げて聞くと、より流れがわかりやすいいと思います。


ーーなるほど。それまでが重厚でゴシックな流れなので、「LIVE -advanced」で、今までのminus(-)のファンはほっとするかもしれません。


藤井:うん。原曲にあった森岡賢らしい特徴的なフレーズを全部取り除いてるんですよ。なので「そういうことか」と思う人もいるかも。


ーーこういう感じのアップテンポのダンスナンバーは新曲としてはもう作らない?


藤井:必要があれば作りますよ。でもここまでチャラい感じにはならない。


ーー(笑)アルバムの構成上?


藤井:いや、対ライブ的に考えたとき。あるいは……今キナ臭い状態じゃないですか、刈り上げ君が。そっちのほうに進んじゃったら『愛と平和』(SOFT BALLET1999年作。湾岸戦争の勃発に触発されたアルバム)みたいな爆発が起こって、ぼくの意識が攻撃的な方に進む可能性はありますけどね。


ーーああ、なるほど。


藤井:音楽って結局その時の精神状態がモロに出るので。テメエこの刈り上げ! ってなったら、ドッカンドッカン行くかもしれないし(笑)。


ーー森岡賢の場合は、こういうアップテンポな曲は享楽的な意味合いが強いと思うけど、藤井さんの場合は攻撃性的なニュアンスが強いわけですね。


藤井:そうですね。


ーーなるほど。これを作って、森岡賢がいなくなったminus(-)の新たなスタイルのようなものは発見できたと言えるんでしょうか。


藤井:発見できた……というよりは、これが私です、というような。延々変わらない部分ではあるから。それが再確認できましたね。


ーー10月には東京で2デイズのライブも予定されてますね。ライブでは女性ドラマー2人によるツインドラムと藤井さんという3人構成のバンドでの演奏なんですが、なぜ女性ドラマーなんです?


藤井:男は合わない。


ーーなぜ?


藤井:あのね、女性のドラムの音が好きなんですよ。ヤオヤっぽいんですよ(ローランドのリズム・マシーンTR-808。テクノやハウスなどエレクトロニック・ミュージックで多用される定番機材。PCM音源を使用しないアナログなリズム音源の最高峰とされる)。


ーー音色が?


藤井:そうです。女の人が叩くと全然違います。特にキック。重いけどまろやかというか。男性でそういう人を出せる人もいますよ。高橋幸宏さんとか。でも男性が叩くとだいたいヤオヤっぽくなくなっちゃう。PCM音源っぽくなっちゃうというか。


ーーそういうものですか。先日のライブではステージの前に出て、一度も楽器や機材を操作することなく、ボーカルに徹してましたね。今後もあのスタイルで?


藤井:ギターぐらいは持つかもしれませんけど、あれで行きます。


ーー藤井さんにとっては、ライブの形式でもひとつ新しい道が開けたという手応えがあるんじゃないですか。


藤井:うん、そうですね。ああいうやり方が今のところは正解かなと思ってます。


ーーminus(-)だからこそ、ああいう形のライブができたっていうのもあるんじゃないですか。


藤井:そうですね。完全にソロでやってたら、シンセをうにょ~っていじって、照明も真っ暗で……みたいなことになってたと思います。


ーーminus(-)はやってよかったし、続けて良かったということですね。


藤井:うん。フィジカルな存在として、minus(-)っていうのはありなんだと思います。


(取材・文=小野島大)