F1復帰を目指すロバート・クビカは、ウイリアムズF1チームと交渉を行っているものの、実際にコース上でテストを行ってポテンシャルを示す機会を得られないまま、チャンスを失うかもしれない。チームは、ランス・ストロールのプライベートテストにクビカを合流させたいと考えたが、ストロールSr.がこれを受け入れなかったと伝えられている。
ウイリアムズは、ストロールの来季チームメイト候補のリストをフェリペ・マッサ、ポール・ディ・レスタ、クビカの3人に絞り込んだものとみられている。
クビカは2011年にラリーでの事故で大けがを負い、F1キャリアを中断せざるを得なくなったが、今年に入ってルノーの協力の下でテストを行い、復帰のチャンスを狙っている。ウイリアムズは、クビカの状態を詳しく知るため、コース上でテストを行いたい考えだ。
富豪のローレンス・ストロールは、息子のために何度かプライベートテストの機会を設けており、Motorsport Magazine誌のマーク・ヒューによると、シンガポールGPの前後にも鈴鹿で2014年型ウイリアムズを使用してテストを行ったという。ウイリアムズはその際にクビカも走らせたいと考えたものの、ストロールは許可を出さなかったと同誌は伝えている。
ファッション界の大御所で億万長者のストロールSr.は、息子のテストプログラムの費用すべてを負担している。ウイリアムズで誰がランスのチームメイトになるかについての発言権はないかもしれないが、プライベートテストで息子のための走行時間の一部を他人に提供するかどうかを決める権利をストロールが持っているのは間違いない。
最終的にストロールはアメリカGPに先駆けてさらにテストを行うため、日本から直接オースティンにマシン2台を送ることを決めた。
現在ウイリアムズは手持ちの2014年型マシンを使い、ヨーロッパのどこかでクビカをテストするという案を検討している。しかしながらクビカはテストにかかる費用を負担するために資金を確保しなければならない可能性がある。
クビカのテストに関する複雑な状況は、現在ウイリアムズのリザーブドライバーを務めるディ・レスタにとっては有利に働くかもしれない。
マッサがハンガリーGPを体調不良で欠場した際、代役を務めたディ・レスタは、急なF1復帰にもかかわらず見事なパフォーマンスを発揮した。豊富な経験を持ち、着実で信頼できるドライバーであり、そのポテンシャルをウイリアムズはよく理解している。
ウイリアムズは今季のマッサのパフォーマンスに満足しておらず、フェルナンド・アロンソにも打診したともいわれているが、アロンソはマクラーレン残留を選ぶ見込みだ。
こういった状況から、ウイリアムズは、最終的にディ・レスタを選ぶことになるかもしれない。