モンスターエナジーNASCARカップは9月24日、ニューハンプシャーで第28戦ロードンが行われ、カイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が優勝を飾った。
チャンピオン決定戦“プレーオフ”の第2戦となるNASCARロードン。舞台となるニューハンプシャー・モーター・スピードウェイはバンク角が浅く、“マジック・マイル”の愛称を持つ。
300周で争われる決勝レースをポールポジションからスタートしたカイル・ブッシュは、75周目までのステージ1序盤をリード。しかし40周目、徐々に差を詰めてきたマーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)に交わされ、2番手に後退してしまう。
トップに浮上したトゥルーエクスJr.は、そのまま逃げ切りステージ1を制覇。今季通算19回目のステージ優勝を手にすると、続くステージ2でもレースをリードして圧倒的な速さをみせる。
しかし、ステージ2のファイナルラップとなる150周目にケビン・ハービック(フォード・フュージョン)が激しいタイヤスモークを上げながらスピン。これによりコース上の視界が遮られてしまい、後続車両を巻き込む多重クラッシュが起きると、トップを走っていたトゥルーエクスJr.も視界を遮られてアクシデントに巻き込まれてしまった。
これで2番手を走っていたカイル・ブッシュがトップに浮上してステージ2を制覇。トゥルーエクスJr.は走行を続けられたものの、マシン修復を行ったため18番手までポジションを落としている。
迎えた最終ステージ3は、途中複数回のイエローコーションが出される展開となるが、カイル・ブッシュは危なげない走りでレースをリード。
終盤にはカイル・ラーソン(シボレーSS)と一騎打ちの優勝争いを繰り広げたが、ベテランの意地をみせてポジションを譲らず。最終的に約2.6秒のリードでトップチェッカーを受けた。
「(ステージ2の多重クラッシュは)衝撃的なものだった。まるで映画の『デイズ・オブ・サンダー』みたいだったよ」とカイル・ブッシュ。
「ターン2を立ち上がった先が煙につつまれていて、本当に何も見えなかった。スポッターにはマシンを止めるようアドバイスされたし、僕もそれがベストだと思った」
「今日はレース大半をリードすることができたし、やるべきミッションは達成できた。なにより、ニューハンプシャーのNASCARファンの前で勝利できて本当にうれしいよ」
2位はカイル・ラーソン、3位はマット・ケンゼス(トヨタ・カムリ)が獲得。多重クラッシュに巻き込まれ、一時18番手まで後退したトゥルーエクスJr.は263周目のイエローコーション時にタイヤ2本交換のギャンブルを敢行。これが功を奏して5位までポジションを上げてチェッカーを受けた。
モンスターエナジーNASCARカップ第29戦は10月1日、デラウェア州のドーバー・インターナショナル・スピードウェイで行われる。