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群馬県高崎市のローカルグルメサイト「絶メシリスト」公開 「群馬カレー界のゴッドファーザー」などマニアックすぎるお店を紹介

2017年09月27日 14:11  キャリコネニュース

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群馬県高崎市は9月27日、古き旨きローカルグルメに特化したグルメサイト「絶メシリスト」を公開した。同サイトでは「絶やすな!絶品高崎グルメ」をスローガンに、同市の飲食店情報を発信している。

「絶メシ」とは、「少人数で営業している個人経営店」「地元高崎市民に愛されている」「昭和の空気を感じさせる歴史がある」「後継者問題を抱えている」「インターネットにあまり情報がない」などといったお店のこと。地域に長く住んでいる人しか知らないようなマニアックなお店、ということだろう。

「お新香だけでコメが食えるって褒められるけど、それじゃ商売にならねえよ!」

実際にサイトを見ると「看板ナシ、メニューは2品、営業時間は2時間半」や、「ソースカツ丼の名店最大のミステリー『食後の牛乳』に隠された真実とは」など、濃厚なタイトルのグルメレポート記事が掲載されている。

掲載店舗も「味の決め手はうまみ調味料と塩」と言い切る店から、地産地消にこだわる店までさまざま。名物メニューのレポートはもちろんだが、店主や店の歴史にもフォーカスしているのが特徴だ。例えば「群馬カレー界のゴッドファーザー」の宮内信正さんが店主を務める「カリーのからゐ屋」の記事では、

「(店内のスパイスの豊かな香りについて)よく言われんだよ!でも自分じゃ全然分からないんだ!もう鼻がバカになってんだよね!」
「一度研いだ米を乾かして、昔の天日干しに近い状態にした後で、固めに炊いてるんです。カレーのご飯は固くないとダメ!お客さんからも『お新香だけで食えるよ』って褒められますね。それじゃ商売にならねえよ、ダーッハッハッ」

など、読んでいるだけで店のこだわりや店主の人物像が伝わってくる。しかし絶メシ店舗多くは「うちは私の代で店を閉める」「年齢も年齢だし、いつまでできるか分からない」と後継者不足がうかがえる発言をしている。

「絶メシ」を絶やさないためにビジネスパートナーやインターンも募集中

帝国データバンクが今年3月に発表した調査によると、2016年に休廃業・解散した外食事業者の代表年齢は「60代」(30.9%)が最も多く、60代以上を合計すると58.3%になった。やはり、高齢化が飲食店の休廃業の大きな要因となっているようだ。

高崎市もかつては安くて旨いローカルめしや、名物店主などがいる個人経営の飲食店が街を賑わせていたが、現在「古き旨きローカル店」は減少の一途をたどっているようだ。

富岡賢治高崎市長は「後継者や若い働き手不足により、愛すべきローカルグルメたちが次々になくなってきているのも事実です」とプレスリリースで言及している。高崎市グルメの新しさではなく伝統に着目した結果、「絶メシ」という形でのプロモーションに至ったという。今後の展望としては、

「高崎市のローカル絶品グルメの魅力を広げていくために、随時、『絶メシリスト』の掲載店舗を増やすと共に、こうした古き旨きローカルグルメがこれからも残り続ける取り組みを展開する予定です」

とコメントを寄せている。また同サイトでは、後継者となるための「ビジネスパートナー」や、後継者はちょっと荷が重いという人向けに「インターン」として短期就業体験やお手伝いの募集も掲載されている。他にも絶メシレシピや各店舗のポスターも公開されている。