レッドブルが発表した同社の決算書によると、2016年にはF1の活動に膨大な費用がかかったことが明らかになった。
Forbes誌の報道では、F1の最新テクニカルレギュレーションへの適合に必要な作業を行ったことで、レッドブル・レーシングにかかる費用は9.2%増加したという。さらにチームは、主要なタイトルスポンサーであったインフィニティとの契約が2015年いっぱいで終了したことで、資金の減少に苦しむこととなった。
その後アストンマーチン、プーマ、タグ・ホイヤーなど新たなスポンサーとの契約を獲得したものの、インフィニティとの契約で得ていた全額を補てんできるまでには至っていない。
またチームはF1賞金額の落ち込みにも影響を受けた。最新の報告期間におけるこの額は、期待外れの4位に終わった2015年のコンストラクターズ選手権の結果から算出されたものである。
決算書には、2016年シーズンにスペインGPとマレーシアGPで2勝をあげたことでスタッフに支払われたボーナスの支出も反映されている。
決算書は、親会社であるレッドブルからレッドブル・レーシングへの年間投資総額が、2015年の1010万ポンド(約15億1900万円)から2016年には4060万ポンド(約61億500万円)に膨れ上がったことを明らかにした。
しかし、オーナーであるディートリッヒ・マテシッツがその投資に対する効果に不満を抱いているとの報道もある。2017年シーズン、レッドブルがこれまでにあげたのはアゼルバイジャンGPでの1勝のみであり、現時点でのコンストラクターズランキングは3位だ。
マテシッツはスクーデリア・トロロッソも保有し運営しており、このジュニアチームは、今季の全20戦中14戦を終えた時点で6位につけている。レッドブルのモータースポーツコンサルタントであるヘルムート・マルコは先月、トロロッソのパフォーマンスには満足していないとして以下のように語った。
「トロロッソには多額の投資が行われた。にもかかわらず、チームはそれをポイント獲得という成果に結びつけられていないのだ」
レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、将来的にエンジンの費用削減と複雑さの低減が必要だと強く主張しているが、次回のレギュレーション改訂は2021年に行なわれることになっている。
チームは、現在ルノーと結んでいるエンジン供給に関する契約を2018年末で終了させる予定だ。その後はトロロッソに続きホンダと契約を結ぶか、アストンマーチンがマニュファクチャラーとして参入するのではないかと推測されている。