クラウドワークスで保守系のブログ記事が発注されていたことが話題になったばかりだが、今度はコミュニティサイトのコメント書き込みまでもが発注されていることがわかった。
ランサーズに9月24日、「政治系サイトのコメント欄への書き込み。保守系の思想を持っている方」という依頼が掲載された。報酬は20文字以上の書き込み1件につき30円となっている。依頼人は、20代後半の男性だ。
「すばらしい!日本の総理大臣として誇りに思う」といったコメントが並ぶ
仕事を依頼したいのは「保守系の思想を持っている方」で、特に、
「安倍政治を応援している方」
「テレビや新聞の左翼的な偏向報道が許せない方」
「産経新聞の論調に好感を持っている方」
にお願いしたいのだという。書き込みの際の注意点として、「ご自分が感じた本当の意見を、そのまま率直にお書きください」とあるものの、どういった内容を書き込んでほしいのかは一目瞭然だ。
書き込みをするのは、依頼人が運営しているというコミュニティサイトだ。様々なニュースに対して、コメントを書き込めるようになっており、例えば「安倍総理のお辞儀姿、礼節が素晴らしいとタイ・シンガポールで絶賛!」といったニュースが取り上げられている。
寄せられたコメントが必ずしも報酬を受けて書き込まれたものか定かではないが、
「すばらしい!日本の総理大臣として誇りに思う。人の選挙演説を妨害して喜んでいる一部の輩にも見習ってほしいものだ」
といったコメントが複数並んでいた。
26日現在、この依頼には閲覧制限が掛かっている。何らかのガイドラインに抵触し、削除されたのだろうか。現在、キャリコネニュースは、ランサーズの担当者に問い合わせ中だ。
津田大介氏は「こんなのは氷山の一角」と指摘
つい先日、クラウドワークスでも保守系のブログ記事が1件800円で発注されていることが判明し、話題になった。どうやらクラウドソーシングのサイトで、思想の"ステマ"とも呼べるような仕事依頼が相次いでいるようだ。
同サイトでは2月にも、「マスコミに関する風刺絵の作成をお願いしたいです」という依頼が掲載されていた。「新聞に載っているような風刺絵の絵柄」という指定があり、絵の内容は、
「マスコミや人権活動家や左翼が安倍総理やトランプ大統領を独裁者(危険人物)と批判しているけれども、そのマスコミたちは真の独裁者(危険人物)である中国の習近平に操られている」
と指定されている。こちらの報酬は5000円~1万円だった。
こうした仕事依頼が次々と話題になる中、ジャーナリストの津田大介さんは9月24日、
「クラウドソーシング掘ると大分こういういろいろなものがまだまだ見つかりそうね。こんなのは氷山の一角で実際にはクローズドな場所でこういう『仕事』が大量に発注されているのだろう」
とツイートしていた。