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2018年創設に向け『TCライト』シリーズ始動。Aセグ主体のツーリングカーに

2017年09月26日 15:32  AUTOSPORT web

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2018年の創設を目指す「TCライト」
ドイツ国内で活動するTCO(インターナショナル・ツーリングカー・オーガニゼーション)は、2018年からの導入を目指す新たなツーリングカー・シリーズのフォーマット、『TC Light(TCライト)』の創設を発表。昨季限りで終了となったDTCドイツ・ツーリングカー・カップに変わる新シリーズとして育てたい意向を明らかにした。

 この新ツーリングカー選手権の規定と概要を発表したオーガナイザーTCOは、すでにドイツはもとより、スペイン、ベネルクス、スカンジナビア、東ヨーロッパ域内の各イベントプロモーターとすでに開催に向けた話し合いをスタートさせているとし、2018年の本格シリーズ戦開催に向け協議を進めているという。
 
 このTCライトは2016年に終了となったDTCを代替する役割が期待されており、主な参戦車種はアウディA1、フォード・フィエスタ、オペル・コルサ、セアト・イビーザなど、各マニュファクチャラーのA~Bセグメントにまたがるコンパクト・ハッチバックをターゲットとしている。

 一部が発表されたテクニカルレギュレーションによれば、マシンは240PSを発生する1.6リッターのターボエンジンを搭載し、前輪駆動のみで争われる(このセグメントで唯一、リヤエンジン・リヤドライブを採用するルノー・トゥインゴに関しては追って詳細を発表予定)。

 6速シーケンシャル・ギヤボックスを搭載し、最低重量はドライバー込みで1160kgに設定される。そして昨今のツーリングカーカテゴリーでは定石となりつつあるBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)のシステムは採用せず、すべての車両は共通規定リヤウイングと、ベース車のホワイトボディを使用することが義務付けられる。

 これは事実上、ツーリングカー規定として長年親しまれてきたスーパー2000、そしてその低コスト版であり、ETCCヨーロッパ・ツーリングカー選手権やDTCで採用されてきたスーパー1600規定に変わる新たなツーリングカー・フォーマットとしての復権を狙っており、パフォーマンスとしても、2リッター4気筒ターボのCセグメントを主体とするTCRの下位にポジショニングする形となる。

 TCOは、マシン購入とメンテナンス費用を含めたシーズンバジェットに関して「100万ユーロ(約1億2000万円)を確実に下回る」としており、TCRを目指すアマチュアドライバーのエントリーレベル・ツーリングカーとしての役割を目指すという。

 また、2018年の初年度からシングルイベントによる"ワールドファイナル"の開催も計画されている。