今シーズンは開幕以降、低迷してしまった中嶋一貴。最終戦の鈴鹿はチームメイトとロッテラーとともに主役となれるか 全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦菅生大会予選7番手から3位フィニッシュし、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)は開幕戦のポール・トゥ・ウイン以来の表彰台に帰ってきた。その一貴にレース後、聞いた。
このSUGOでは走り出しから好調だったトムス勢、しかし、まずは前日の予選が7番手といまいりな位置になったのはなぜか。
「特別何かあったわけではないんですけど、思いのほかタイムが伸びなかったですね。自分は計測3周目にはアタックするつもりで、インパル(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が計測4周目に行くとわかっていたので、少しタイミングをずらした方がラバーが乗って路面コンディションがいいと思って出たんです。ミスしたわけでもクルマに引っ掛かったわけでもなく、ちょっとタイムが伸びなかったですね」
その予選から一点、決勝では終始好ペースでトップグループを走行できた。
「スタートでうまくポジションを挙げられて(オープニングラップで4番手まで浮上)、そのあとアンドレ(ロッテラー)が失敗して自分が3番手に上がることができました。(関口)雄飛ほどではなくてもレースペースも悪くはなかったし、ピエール(ガスリー)ともずっと同じくらいでは行けていたと思います。でも、勝つにはもうちょっと自力の速さが足りなかったかな。それでもピットアウト後は(小林)可夢偉の前には出ることはできたので。とりあえず、そこはプラン通りにはレースをすすめることはできたのでよかったかなと思います」
これで開幕戦以来、久々の表彰台の位置に戻っくることができた。
「とりあえずいいレースができていたと思います。前戦のオートポリスからレースペースは改善できていますし、戦略も今回は正しいものが選べたかなと、だんだんとレースがかみ合うようになってきているので、鈴鹿に向けて右肩上がりで臨めるかなと思います」
自力でのタイトル獲得は難しいものの、まだチャンピオンの権利は残っている一貴(ランキング5位、首位の石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)と11.5差)。最後の鈴鹿はどのような心境で臨むのか。
「まあ“狙っていきます!”というポジションではないので。とりあえず(チャンピオンの)可能性は残った状態で最終戦を臨めるっていうのは最低限いいかなと思います。最後はどうなるのか、そこは他力本願になるのであまり意識せず、楽しみたいと思います」
首位石浦とのポイント差は大きく、また、その間にガスリー、フェリックス・ローゼンクビスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、関口と3人のライバルが存在する中でのチャンピオン争いうということもあり、一貴本人からはさほどタイトルへのプレッシャーは感じられない。
開幕戦で見せた鈴鹿での速さ、そして、最終戦は2レースで最大18ポイントを獲得できることを考慮すると、間違いなく最終戦の要注意ドライバーとなるだろう。2017年シリーズのエンディングはどのような形で迎えるのか、その結末は10月22日鈴鹿サーキットでわかる。