F1シンガポールGP決勝でマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソはアクシデントに巻き込まれてマシンに大きなダメージを負ったが、ホンダF1プロジェクト総責任者である長谷川祐介氏によると、パワーユニットを調査した結果、再利用できる状態であることが分かったという。
アロンソは予選8位を獲得、非常にいいスタートを切ってポジションを上げたものの、セバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン、マックス・フェルスタッペンが絡むクラッシュに巻き込まれてマシンがひどい損傷を負った。しばらく走り続けたアロンソだが、ダメージがあまりにも大きいことが判明し、8周でリタイアすることになった。レース後、チームは「衝撃は非常に大きく、ボディワークが壊れ、フロアが損傷を受け、さらにはエキゾーストに穴が開いていた」と明かしている。
ホンダはパワーユニットにも影響があることを心配したものの、調査の結果、再度使用できる状態であったことが分かったと、長谷川氏は語った。
「前戦シンガポールGPは浮き沈みのあった週末でした。フェルナンドは不運にもインシデントに巻き込まれ、最終的にリタイアという結果に終わりました。一方、ストフェル(・バンドーン)のペースは良く、素晴らしい走りをして、7位でチェッカーフラッグを受けています。週末を通して競争力が高く、貴重なポイントをつかむことができたので、全体的にポジティブなグランプリでした」
「フェルナンドがシンガポールで使用したパワーユニットが修復不可能な損傷を負ってしまったのではないかと心配していましたが、さくらのファクトリーで徹底的にチェックした結果、幸いにも再利用できる状態であるという結論が出ました」
アロンソは、アクシデントに巻き込まれていなければ好結果を出せたはずであるとして悔しさを表しているが、今週末のマレーシアGPをできるだけいい順位で走り切ることに気持ちを集中させたいと語った。
「シンガポールがああいう結果に終わったので、早くマシンに乗り込みたくてたまらない。マレーシアでは1コーナーで終わることがないよう願っている」とアロンソ。
「あの事故には本当にがっかりした。他人のインシデントの犠牲になってしまったような場合、苛立ちを隠すのは難しい。戦えるポテンシャルがあると感じていたし、一年のなかでチャンスがある限られたグランプリのひとつだったのに、競争力を証明してポイントを持ち帰ることができなかったのが残念だ。でもレースでは時にはこういうこともある」
「マレーシアのコンディションはシンガポールと似通ったものになるだろう。熱くて湿度が高く、ドライバーにもマシンにも厳しい環境だ。サーキットのレイアウトは僕らにはあまり合っていないけれど、それでももちろんすべてのチャンスを狙って戦うつもりだ」
「残り6戦、すべてのレースをできる限り上位で走り切るために全エネルギーを注いでいく」
「セパンはセットアップの面でも楽ではない。ストレートでは優れた直線スピードとパワーが必要だが、このコースはさまざまな特徴が入り交じっているので、低速コーナーでどれだけ埋め合わせることができるかを見ていくよ。今年のマシンになってスピードが上がるはずだから、走っていて楽しいだろうね。ドラマチックな出来事を避けて、堅実なレースをしたいと思っている」