9月24日にオーストリアのレッドブルリンクで開催されたFIAヨーロピアンF3の第9ラウンド/レース3で、牧野任祐(ハイテックGP)が3位に食い込み、自身初となるヨーロピアンF3での表彰台を獲得した。
昨年全日本F3選手権とスーパーGTで印象的な走りをみせた牧野は、今季激戦のヨーロピアンF3に参戦しているが、序盤戦は極端なオーバーステアやブレーキの不調に苦しみ、さらに7月にノリスリンクで開催された第5ラウンドで負傷。スパ・フランコルシャンでの第6ラウンドを欠場していたが、その間に見出した変更が功を奏し、ニュルブルクリンクでは最高位となる4位を獲得していた(牧野のインタビューはオートスポーツ最新号No.1465に掲載)。牧野はもともと、このレッドブルリンク戦をターゲットとしていたというが、9月22日に行われたレース1の予選で5番手を獲得。レース2は11番手、レース3は8番手グリッドとなっていた。
迎えた23日のレース1で牧野は5位でフィニッシュするものの、レース2ではジャンプスタートをとられてしまい17位にとどまってしまう。しかし、迎えた24日のレース3では、1周目から接触やコースアウトが相次ぐなか、6番手まで順位を上げると、途中ジョーイ・モーソン(ファン・アメルスフールト)に先行を許すものの、7番手でレースを戦う。
レースはジョエル・エリクソン(モトパーク)とランド・ノリス(カーリン)のマッチレースとなるが、残り5分というところでノリスがエリクソンに追突。フロントウイング翼端板を失いペースを落としたノリスにラルフ・アーロン(ハイテックGP)とフェルディナンド・ハプスブルク(カーリン)が接近する。
ファイナルラップ、ノリスとアーロンは接触してしまい、2台はストップ。これでエリクソン、ハプスブルク、ニキータ・マゼピン(ハイテックGP)、モーソン、牧野という順位でチェッカーを受けるものの、ハプスブルクとモーソンはトラックリミット違反により5秒のタイムペナルティを受け、牧野が3位に繰り上がった。
「今回、ユーズドタイヤでレースを戦うことになりましたが、それによってハンドリングが苦しくなっていました。でもエンジニアがあきらめないように言ってくれたので、ベストを尽くしました。こうして初めての表彰台を獲得できて気持ちがいいですし、良い経験になりました」と牧野は語っている。